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藤沢版 公開:2020年1月1日 エリアトップへ

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健康寿命のカギは「フレイル」 長寿時代の健康づくり

公開:2020年1月1日

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 100歳以上の高齢者が7万人を超え、第2の人生を謳歌する人々が増える中で、ますます健康への関心は高まっている。本紙では藤沢市の健康寿命延伸に取り組む「医師」「歯科医師」「薬剤師」のそれぞれの会によって構成される団体「藤沢三師会」の会長による座談会を企画。藤沢市の健康を支えるキーマンたちに、これからの地域医療について話を聞いた。

今年から加わるフレイル質問項目

--厚生労働省は75歳以上の人を対象に行う健診で活用している現行の質問票に加え、「フレイル」の状態になっているかチェックする「後期高齢者質問票」を今年から導入します。介護予防の効果など期待されていますが、フレイルという言葉は、まだ、馴染みが薄いように感じます。

鈴木 フレイルとは、加齢により筋力などの身体機能が低下し、心身ともに弱ってきた状態を指します。日常生活でサポートが必要な介護状態となる手前の段階です。英語の「Frailty(フレイルティ)」が語源で、日本語に訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」などを意味します。

 初期症状には、体重の減少、歩行速度の低下、疲れやすいなどが挙げられます。重症化すれば介護が必要な体になってしまうだけでなく、さまざまな合併症も引き起こす危険があります。しかし、早く介入して対策を行えば元の健常な状態に戻ることが可能です。健診を活用すれば要介護になる人を減らせると期待されています。

片山 フレイルの前段階で、歯と口の機能が低下することを「オーラルフレイル」と呼んでいます。口が乾く、滑舌が悪い、食べこぼし、わずかなむせなどの症状は要注意です。些細な衰えも早期に気付くことが大切です。歯と口の健康に関心が低ければ、歯周病や虫歯になりやすく、歯を失うことで、口腔機能が低下してしまいます。食べ物が噛めない、飲み込めない状態になってしまうと、低栄養や誤嚥性肺炎の危険が増していきます。

齊藤 私たち薬剤師は、「薬剤性フレイル」を理解してもらえるよう啓発しています。高齢になるとさまざまな病気と症状を抱える確率が高くなります。日本ではこうした疾病に対して治療を行いますが、多剤服用になってしまう傾向にあります。複数の医薬品が処方されると相互作用などによって副作用が出る可能性が高まります。特に高齢者の場合、腎機能などが低下して薬の副作用が現れやすくなり、フレイルに繋がることがあります。注意しましょう。

--「フレイル」といっても、その状態に繋がるさまざまな原因があるんですね。それでは、フレイルを予防するには、具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。

鈴木 予防には、健康長寿に大切な3つの柱を覚えて下さい。【1】栄養(食・口腔機能)、【2】運動、【3】社会参加です。バランスの良い食事を毎日とって、運動を継続して行う、趣味やボランティアなど社会と繋がりを持つことも大切です。どれか1つではなく、3つの柱をバランスよく行えば予防になります。

 フレイルの最も大きな原因の一つは筋肉の衰えになります。転倒や骨折、寝たきりなど生活の質を低下させる原因ですね。老化により筋肉量が低下する状態を「サルコペニア」と呼びますが、そうならないために、たんぱく質を含んだ食事をとり、定期的な運動によって筋肉の衰えを遅らせることが大切です。

片山 そうですね。サルコペニアが進行すると、消費エネルギーが減るので、食欲が低下、お口の機能も低下します。食べ物を良く噛んで味わう咀嚼(そしゃく)に障害が出たり、食べ物を上手に飲み込めない嚥下(えんげ)障害になってしまいます。

 お口の健康を保って、食事は1日3食かかさないようにしましょう。合言葉は「さあにぎやか(に)いただく」。魚・油・肉・牛乳・野菜・海藻・芋・卵・大豆・果物の頭文字を繋げたもので、これらの食材をバランスよく取りましょう。しっかり噛むことも意識してください。

齊藤 社会参加の機会が低下するとフレイルになりやすいと言います。部屋に閉じこもらず、趣味やボランティアなど外出の機会を増やすことも大切ですね。

 「薬剤性フレイル」は、もし複数の薬を服用していたら、ご近所の薬剤師に相談して下さい。最近では、複数の病院を受け、そのまま、いくつかの薬局を利用する人もいます。その場合はお薬の管理が難しく、多剤服用の危険が増します。できれば1カ所、かかりつけの薬局を決めてもらえると、薬剤師も危険に気づきやすく、アドバイスもお伝いできます。それが無理であれば、お薬手帳は、1つにまとめましょう。

五輪を契機に運動で健康促進

--今年は東京五輪・パラリンピックが開催されます。これを機に、スポーツや運動をより身近なものにして、健康的なライフスタイルを促進させることを、将来に残すべき「レガシー」の一つとして掲げています。

鈴木 身体を動かすことは、健康の源です。歳を重ねても無理をせず、身体を動かしましょう。

 厚生労働省の指針では、運動とは、ジムなどで行うトレーニングやテニス、サッカーなどのスポーツのことで、日常生活における労働、家事、通勤・通学などの活動(生活活動)と合わせて、身体運動と呼ばれています。ウオーキングや体操などの運動ももちろんですが、普段の生活の中で犬の散歩、掃除、芝刈りなども生活習慣病や認知症の予防に大切なことです。

 藤沢市には、ラジオ体操のイベントや講習会、そして市がさまざまな方たちと一緒になって広めている、かわせみ体操やふじさわプラス・テン体操などのオリジナルな健康体操もあります。この機会に参加してはいかがでしょうか。

片山 お口の健康を保つ体操もいろいろあります。お口の機能で「唾液」は、お口の中を清潔に保ったり、消化液として働いたりと大切です。口が乾いていると感じている人は「唾液腺マッサージ」を試してください。他にも、咀嚼や嚥下の機能を回復させる「パタカラ体操」というのもあります。

齊藤 スポーツと薬ということで話をすると、ドーピング問題がつねに話題に上がります。五輪に出場するようなアスリートの話と思っていると大きな間違い。最近では、県の代表者が争う国民体育大会でも薬物検査が行われるなど身近なことです。私たちは「うっかりドーピング」と呼んでいますが、知らずに飲んだ風邪薬に禁止薬物の成分が入っていたということがあります。そうしたことを防ぐため、私たちはアンチドーピング・医薬品適正使用委員会を設立して、情報提供や、市民マラソンでブースを出すなど啓発を行っています。

藤沢三師会もワンチームに

--「令和」という新し時代が始まりました。最後に2020年の抱負を教えて下さい。

鈴木 日本は世界でも有数の高齢社会です。5年後には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になることから、さらに高齢化が進みます。その対策として医療や介護、生活支援などが一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の構築が藤沢市でも進んでいます。

 私たち藤沢三師会も「ワンチーム」になり、市民の皆様の健康支えていきたいと考えています。

片山 現在、行政と協働で進めているのが、オーラルフレイルをはじめとする口腔機能低下予防と介護予防重度化防止の取り組みです。行政との勉強会や介護現場で働くヘルパーの方々に向けた口腔ケア講習も行っています。今後、より一層行政や多職種の方々とも手を組んで活動を続けていきます。

齊藤 在宅医療が増えていくと、病院と保険薬局が情報を共有し、患者さんが退院してからも充実した医療が受けられるように連携する「薬薬連携」が重要です。その連携強化に努めていきたい。他にも多く方々との連携は必須です。今年活躍するアスリートのように、私たちも全力で取り組んで行きます。

藤沢三師会

藤沢市医師会 藤沢市歯科医師会 藤沢市薬剤師会

TEL:0466-22-3041
TEL:0466-26-3310
TEL:0466-22-8664

http://www.fujisawa-med.com https://www.fda8020.jp/ http://www.fujiyaku.org/

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