大磯・二宮・中井版 掲載号:2015年12月4日号 エリアトップへ

「湘南みかんぱん」が逸品認定 大磯・二宮のミカン果汁使用

社会

掲載号:2015年12月4日号

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製パン工場で商品を手にする利用者と職員
製パン工場で商品を手にする利用者と職員

 第4回全国逸品セレクション(10月23日、東京八重洲ホール/一店逸品運動協会主催)で、平塚市高根にある知的障害者の就労支援施設「サンメッセしんわ」の「湘南みかんぱん」が準グランプリを受賞した。

 施設利用者の作るユニークなパンは、大磯・二宮町でとれる青摘みミカンの果汁を生地と餡(あん)にたっぷり使用し、爽やかな酸味を利かせている。

 同施設を運営する社会福祉法人進和学園は、実の青いうちに間引きされた早摘みミカンをジュースに活用しようというNPO法人の依頼で、収穫物の選別業務を請け負っていた。さらに同施設が製パン事業を手がけていたことから、果汁を使ったパンの開発を持ちかけられたという。

 開発に関わった職員の中村公紀さんは「市販されているミカンパンを取り寄せてみたがどれも酸味が弱かった。青摘みの持ち味の酸っぱさを意識し、果汁も生地の発酵を邪魔しないぎりぎりの量を入れています」と商品の特徴を紹介する。

 昨年秋に完成したパンは地場産小麦と果汁で生地を作り、平塚市内の鈴木製餡所(豊原町)に外注した餡を包んだ。「利用者が作りやすいよう、慣れ親しんだアンパンと同じ製法にした」と中村さんは話す。

 現在は9人の利用者が月平均で2千個を製造。JA湘南の直売所「あさつゆ広場」や平塚市役所本庁舎の福祉ショップをはじめ、民間商業施設などにも販路を広げ、売れ行きも上々だ。駅売りの冷凍ミカンを彷彿とさせる赤い網に入れ、夏場は解凍直後に食べてもらうなど売り方も工夫した。

 生産と販売に従事する利用者は「買いに来る人がパンを見て驚いてくれる」とにっこり。同施設の今井康巨施設長は「最近はメディアの露出も増え、利用者もやりがいを感じてくれているはず」と、工賃だけではない「報酬」に期待を寄せている。

 全国逸品セレクションは、店の強みを生かした商品開発に取り組もうという「一店逸品運動」に参加する小売業者らが全国から集まり、その年のグランプリを決める。今年は各地で選抜した8団体、15作品がエントリーした。

 今井施設長は「一般店舗が出品する中で、福祉施設の商品が評価された。地産地消を考えて商品づくりをしてきたので、生産者の方々を含めた地域活性にもつながれば」と目を細めて話していた。

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