春分の日を過ぎ、県内でも桜の開花がいよいよ始まった。桜と言えばソメイヨシノの人気が高いが、日本には数多くの桜の品種が存在する。大磯町在住の齊藤廣昭さん(83)が15年前に大磯運動公園に植えた桜も毎年可憐な花を咲かせて、来園者の目を楽しませている。
齊藤さんは福島県福島市宮代の出身。実家の敷地内にある樹齢400年を超える桜を見て育った。大磯に移り住んだ齊藤さんは、この桜を大磯でも咲かせようと接ぎ木で苗木を育て、2004年に同公園が開園した際に町に持ちかけて園内に9本を植栽した。11年に15本、今年に入ってさらに10本を追加し、支柱を添えたり、日当たりが悪く生育が悪ければ別の場所に植え替えるなどの保育管理を買って出てきた。その甲斐もあり、苗木はすくすくと成長。齊藤さんは「天候にもよるが、元からある桜は4月上旬には見頃になりそう。今年植えた苗木は、早くて3〜4年後には花が楽しめるようになる」と今からその時を楽しみにしている。
地域に愛される桜に
小さく可憐な花が枝いっぱいに密集して咲くこの桜は当初、コヒガンザクラと考えられてきたが、齊藤さんは以前から「少し違うのでは」と感じていたという。昨年秋に、桜の園芸品種認定制度を設けている「日本花の会」へ申請し、現在審査が行われている。「もし新品種だったら町の名所にできるかもしれない。違ったとしても、ぜひ多くの方に関心をもってもらって、いつまでも地域に愛される桜になってもらえれば」と期待を寄せる。
(3月25日起稿)
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