疫病が流行した時代に安寧を祈願して大仏が建立されたことにちなみ、二宮町在住の鈴木クリ子さんと娘の嘉子さん(5)が張り子の大仏を制作した。小田原市国府津にあるイベントスペース「BLEND PARK」の入口真正面。金色に輝く大仏が訪れる人を和ませている。「手を合わせて拝んでいく年配の方もいる」と運営者の杉山大輔さんは話す。
外出自粛生活が続いていた4月の終わり。市販の工作キットと趣向を変えて「何か大きなものを作ってみよう」と母が娘に提案した。思いついたのが大仏だった。材料はネット通販の品物が入っていた段ボールや緩衝材、半紙など。大仏のぶつぶつした頭の「螺髪(らほつ)」は紙粘土でこしらえた。螺髪を接着剤で固定するために胴体を逆さにして乾かしたら、首の向きが少し曲がってしまったが、「味わいが出て面白い」とクリ子さんはにこやか。
アクリル絵の具で色を塗り、およそ1カ月半かけて完成させた。高さ約74cm、横幅約90cm。家の外に大仏を運び出し、家族で開眼式も行った。
貸し出しも
大仏の利用方法についてSNSでアイデアを求めたところ、杉山さんがブレンドパークでの展示を勧めてくれた。鈴木さん親子は「大仏に旅をさせたい」と考え、土日に野菜などの無人販売が行われる同スペース以外の場所やイベントにも大仏を貸し出すという。
クリ子さんは、童謡や歌謡曲、エスニックな香りが漂う楽曲などを繰り広げるバンド・クンクンニコニコ共和国のボーカル兼シンガーソングライター。馬鹿らしいと思えることを楽しむクリエイター精神が、大仏作りにつながったようだ。
「もっと上手に作れたかも」。作品の出来に嘉子さんはシビアな評価をする。「紙粘土をたくさん丸めるのが大変だった。(また作るのは)もういい」と渾身の力を制作に注いだ様子。クリ子さんは「無心で集中している時の子どもの顔を見ることができた」と、ステイホーム中の共同作業で感じた喜びを語った。
完成までの過程をインスタグラム(https://www.instagram.com/suzukikuriko/)で紹介。問い合わせはメールで鈴木さんへ。【メール】hirocyadokiya@gmail.com
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