大磯町の照ヶ崎海岸で9月17日、伊勢原市下糟屋の高部屋神社に伝わる「汐汲み神事」が行われた。今年は参加人数を絞るなど、新型コロナウイルスの感染拡大防止に配慮する方法がとられた。
海の神・航海の神とされる「住吉三神」を祭る同神社では、三神が照ヶ崎海岸から上陸したと伝えられていることから毎年、例大祭に使う浜砂や海水、ホンダワラ(海藻)を照ヶ崎まで採りに赴く神事が行われてきた。平安時代から続き、廃仏毀釈で明治初頭に一度途切れたが、3年前に氏子らが復活させた。
例年であれば照ヶ崎海岸に竹で結界を施した斎場を設け、提灯や五色旗とともに宮司や神官ら9人が神事行列を組んで厳かに入場、白装束の「使者」3人が海に入って浜砂・海水・海藻を採取して祭壇に奉納していたが、今年は「3密」対策のため行列を作らず、神事も宮司と神官、使者の5人のみで行った。
持ち帰った浜砂は9月20日に行われた例大祭の「浜砂撒きの儀」で清めの塩の代わりとして神社の周辺に撒かれ、海藻は鳥居の注連縄に飾られた。海水は火難除けを祈願して、地元の消防団が地域を回る際に建物に撒かれる。
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