千年以上の歴史を持ち、県の無形民俗文化財にも指定されている伝統祭礼「相模国府祭」が、今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため規模を縮小し、六所神社で神社関係者のみの参加で神事が行われた。
毎年5月5日に県内6つの大社(六所神社、寒川神社、川勾神社、比々多神社、前鳥神社、平塚八幡宮)が参集し、天下泰平と五穀豊穣を祈願して大磯町国府本郷の神揃山や大矢場(馬場公園)、六所神社で様々な神事を執り行ってきた同祭。今年は各社の白木神輿、大神輿の渡御などの祭事は行わず、5社の宮司が御分霊である守公神を総社の六所神社に奉る「神対面神事」をはじめ、相武と磯長の国が合併して相模国が成立した際の論争を儀式化した「座問答」や、天下泰平を祈る「鷺の舞」などの神事のみを、六所神社の境内で行った。
六所神社では「相模国府祭の長い歴史の中では、様々な事情で祭の催行が難しい年もあったと思うが、その時々で、祭りに関わる人たちが今できることを真剣に考えて、伝統をつないで来たのだと思う。この伝統を絶やさぬよう、来年は通常の形で開催できることを願う」と話した。
川勾神社で白木神輿
二宮町の川勾神社では5月5日、相模国府祭臨時祭が執り行われた。新型コロナの感染拡大防止を考慮し、社殿の外で神事を斎行。その後、同神社神輿保存会が境内で白木神輿を担いだ。六所神社で行われる相模国府祭に出発する宮司と神社役員を見送るための宮出し渡御と、帰ってきた宮司を出迎える宮入り渡御で、今回初めて祭事として催した。
国府祭の祭典場である神揃山と大矢場、大神輿が仮にとどまる塩海御旅所(二宮町下町)での渡御が昨年に続いて今年も中止になったことを受け、川勾神社と神輿保存会がコロナ禍での祭礼の進め方について検討。「どうにかして神輿渡御ができないか」と新たな方策を話し合った結果、同神社で白木神輿の渡御を行うことを決めた。
白木神輿は、相模国府祭のときだけに担ぐ、六所神社を除く5社お揃いの同祭専用神輿。
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