芸術に彩られる「丹沢の街」
大磯のギャラリーも参加
5月1日
NPO法人農ある暮らしを広める会(二見幸夫理事長)が二宮町の知足寺の竹林等の整備を行っている。同NPOの山林整備班のマネジャーを務める渡辺哲さん(45)は「荒れていた山が少しずつ開けていくのがうれしい。10〜70代のメンバーが作業を通じて交流することにも意義を感じる」と、作業を経て木々の隙間から海が見えるようになった眺望に目を細める。
作業現場の知足寺境内には、高所作業にあたる同会メンバーが「この枝切るよ」「もっと引っ張って」と指示を飛ばす声が響く。同会は二宮町を中心に、荒れてしまった里山や沢、谷戸田、遊休農地の再生・維持活用に取り組んでおり、山林整備は知足寺が2例目。枯竹などが倒れ足を踏み入れるのが困難になっていた山の手入れを同会が提案し、寺の快諾を得て5月に作業がスタートした。
若手育成にも手応え
山林整備は渡辺さんの指揮のもと、同会メンバーで林業を営んでいる伊藤秀和さん(45)を中心に作業にあたっている。同寺が運営する幼稚園の園児や檀家が海を眺めながら一息つける居場所にすることを目指して作業しており、渡辺さんは「荒れ地を整備することで予期せぬ災害を防ぎ、集いの場も作れる。作業を通じて信頼関係を築き、若手人材の育成にも手応えを感じている」と話す。
作業は有償ボランティアとして請け負っており、現状は10〜70代の社会人や大学生が休日などを使い週2日ほど作業している。コロナ禍では高校生がアルバイトとして参加したことも。伊藤さんと作業することで林業の魅力に気づき、「弟子入り」した一石悠さん(23)は「林業は誰かが大切にしないと技術が継承できず、なくなってしまうんだと感じた。すっかりハマってしまったので、もっと経験を積みたい」と笑顔で話す。
二見理事長(72)は「地元にいたいけれど、働き口がなく町外へ出てしまう若者の一つの選択肢になっていければ。活動を通じて、模索していきたい」と話し、今後は地域の雇用創出にも期待していた。
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