スギ花粉 「今年は少なめ」 県が調査結果を報告
神奈川県自然環境保全センター(厚木市七沢)は県内のスギ林で雄花の着花量を調べて結果をまとめ、今年の花粉飛散量が「過去最高だった2011年と比較すると大幅に減少し、例年よりも少なくなる」という予想を発表した。
調査は昨年11月9日から30日にかけて小田原市や南足柄市などの県西部と県北西部、県央部、県北部の4地域の森林地帯30カ所で実施。スギ雄花の着花点数の平均値(県内平均値)は20・7点で、昨年の75・3点の3分の1以下だった。また、過去14年間の調査結果の平均値(例年値)は44・6点であり、今回の数値はそのおよそ半分。これまでの調査期間のなかで5番目に少ない点数となった。
スギ雄花の着花形成は前年の夏の気象条件と大きく関わり、高温少雨で日照時間が長いと着花形成が促され、花粉の飛散量が多くなるといわれている。今回の調査結果について同センターは「昨年の夏は比較的着花が多くなる気象条件だったにも関わらず、着花点数は低くなった。昨春の着花が多かった影響によって種子の結実量が増え、雄花へ供給される栄養分が足りなくなったことが一因にあるのではないか」と見ている。
センターでは施設内のスギ林で花粉飛散量を計測し、2008年度からホームページでスギとヒノキの花粉飛散量を公開している。また、花粉の発生を抑えるために花粉の少ないスギ・ヒノキの品種を選抜。現在、県内で生産しているスギの苗木は全て花粉の少ないスギで、全く花粉を出さない無花粉スギの開発も進めているという。
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