政府は、伊藤博文の別邸として知られる大磯町の「滄浪閣」など、歴代の元勲にゆかりある周辺の別荘を一体的に保存・活用する「明治記念大磯邸園」(仮称)の整備を進める。8人の総理大臣経験者が建物を所有したことなどから「政界の奥座敷」と呼ばれた同町の歴史的建築群に光を当て、明治以降の歩みを伝えるシンボルとして後世に伝えていく。
2018年が明治元年から150年目となることを機に、明治期の立憲政治確立に貢献した先人の業績を次世代に残そうと取り組む「明治150年」関連施策の一環。同邸園事業は、6月に検討会がまとめた報告書を基に国土交通省が所管して実施する。
報告書では、滄浪閣をはじめ「旧西園寺公望邸」や「旧大隈重信邸」、「旧陸奥宗光邸」などが徒歩圏内に集中して現存する同町を「1つのモデルを提示しうる場所」と評価。当面の取り組みとして各建物の公開や、国立公文書館などと連携して幅広い歴史的資料を生かした複合的な展示を行うなど、特色ある活用方法を検討していく。4月の再建以降多くの観光客が訪れる旧吉田茂邸や、往時の姿をとどめる松林の景観など周辺の観光要素を組み合わせながら整備を行う方針。
一方で、明治期の建物はいずれも築100年以上が経過するなど老朽化が進み、保存状態も不十分なことから、修復に向けて県や町との連携を深めていく必要性も示した。町政策課は「大磯の邸園文化は貴重な観光資源。町としてできることがあれば、積極的に協力していきたい」と話している。
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