坂本さんが2019年にモスクワ音楽院の卒業試験でピアノを演奏した様子＝本人提供
大磯中学校出身のピアニストの坂本里沙子さん＝人物風土記で紹介＝が、ロシア国立モスクワ音楽院での留学体験をつづったエッセイ本『私の音楽留学』を出版した。
坂本さんは高校卒業後、留学生として18歳から24歳までロシアで過ごした。当時ＳＮＳが一般的ではなかったため、日本にいる家族や友人に向けての近況報告としてブログ「ロシア徒然日記」を始めたという。
書籍は当時のブログから音楽についての内容を抜粋し、加筆修正した。出版元の群像社はロシア文学を専門としている。
日本人がほとんどいない土地で、まったくロシア語が話せない中で始めた留学生活だった。
｢参考になれば｣
同音楽院においては、日本人が短期留学ではなく、本科に５年間在籍した例は珍しいという。同書では留学を志す人に参考にしてほしいと、現地の試験の実施方法まで丁寧に伝えている。「助けてほしいときや伝えたいことがあるときは、目を見てしっかり伝えれば誰かにちゃんと伝わります」と締めくくり、後に続く人の背中を押す。
坂本さんは、演奏活動や講演などを通じて幅広い世代にロシア文化や芸術を広めるとともに、地元で指導にも力を注いでいきたいとしている。
書籍はラスカ平塚内のサクラ書店に近日入荷予定。通販サイトでも購入できる。定価９００円（税別）。問い合わせは群像社【電話】０４５・２７０・５８８９。
完成した本を手にする坂本さん＝本人提供
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