日原署長（左）と杉山さん
特殊詐欺の被害を未然に防いだとして大磯警察署（日原修署長）は５月31日、ミニストップ二宮駅前店に勤める杉山敬美さんへ感謝状を贈った。杉山さんは５月17日に来店した60代の男性が、慣れない様子で４万５千円分の電子マネーを購入しようとしたことを不審に思い、声をかけた。
男性は自宅のパソコンでインターネットを閲覧中に「ウイルスに感染した」と警告が出たことに驚き、画面に表示されている問い合わせ先へ電話をかけてしまった。電話口の相手からウイルスの除去費用として電子マネーの購入を求められ、同店を訪れたという。男性が電子マネーの名称を間違えたり、購入額が高額だったことに違和感を覚えた杉山さんは、事情を聞いて「騙されているのでは」と疑い、詐欺の注意を呼びかける店内の掲示物などを見せながら男性を説得。購入をあきらめ帰宅した男性から、後に大磯署へ相談の電話があり、詐欺と判明した。
繰り返し被害に遭うケースも
感謝状の贈呈式で日原署長は「杉山さんの声かけがなければ騙されていることに気付かず、警察への相談もなかった。皆さんが最後の砦」と感謝を述べた。騙されたことに気付かないまま、その後何度も詐欺被害に遭うケースも多いという。同店の加藤健オーナーは「ベテラン店員の杉山さんだからできた気づきと行動。全体に周知して、今後も詐欺被害抑止に努めたい」と語った。
同署管内で、同じ手口の詐欺が阻止されたのは今回で３件目。特殊詐欺被害は５月末時点で累計３件・被害額７１０万円（昨年は１年間で13件・２６５０万円）発生しており、同署では引き続き警戒を呼びかけている。
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