青銅器や書道の愛好家らが参加して「秦野全形拓本研究会」が10月15日と16日、秦野市堀山下の「相州ぼそそば庵」で開かれた。
句碑など平面を採る一般的な拓本とは異なり、「全形拓本」は青銅器や陶器の壺など立体物を写し取る特別な技術だ。
店主の石川又一郎さんは、中国古代の文字を勉強している中で、その文字を写し取る拓本にも関心を持ったという。10年以上前から、京都に通い全形拓本を学んでいる。
今回は秦野、京都、長野から6人の会員が参加した。研究対象は、京都在住の吉田眞三さんが持ち込んだ「奈良・東大寺大仏殿・音声菩薩灯篭」(国宝)の石膏レプリカ4体。立体の「全形」ではないが、東大寺の特別許可で作られた貴重な第1次石膏だという。
使用した紙は中国の画仙紙。紙に含まれる糊を均質化するために、1週間前に熱湯をかけて湿った状態で保存していたものだ。これを縦約120cm、横約50cmのレプリカに慎重な手つきで張り、しばらくして乾き具合を見ながらタンポで墨を打つと、鮮やかに図柄があらわれた。
石川さんは「国宝である優雅典麗な菩薩様の姿が浮かび上がったときは感激しました」と話した。
同会は不定期で2〜3カ月に1度勉強会を開催している。問い合わせは石川さん【電話】090・1790・3896へ。
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