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秦野

公開日:2015.04.04

作品に命を吹き込む
中世の穴窯に炎が上がる

  • 職人が魂を感じるという紫色の炎

  • 穴窯の側面にある穴から薪をくべ、炎に勢いをつける

 県立秦野戸川公園近くの香窯陶芸工房(堀山下1480)の穴窯で、3月24日から1週間、窯焚きが行われた。同工房の陶芸家である出縄俊策さん・由里香さん夫婦のほか同工房に通う生徒などが、自分たちの作品を焼き上げた。

 穴窯とは、斜面や地中を掘って構築した焼き物窯。大正時代までは瓦などをつくる目的で用いられていた。「穴窯で焼くと、黒や白のビードロができ、味わい深い作品ができる」と俊策さん。俊策さんは、文献や資料から6世紀の穴窯を再現。窯造りの職人の元で窯焚きの技術を学んだという。

 窯焚きは、作品を窯に詰める作業から始まる。2日間ほど窯の入口付近で火を焚いて湿気を取り、炙り窯の温度が400度くらいになったところで、窯の中に薪を入れ、徐々に温度を上げていく。3日間は炎の様子を見ながら薪を入れ続けなければならず、夜を徹して薪をくべ続ける。

 黄色い炎が燃え盛る頃、穴窯の中からは炎が通る「ゴー」という低音が轟く。1300度に近づくと炎はガス化して紫色に変わり、辺りは静寂に包まれる。この炎を見て陶芸家たちは「陶芸に命が吹き込まれるのを感じる」という。「みんなで薪をくべるのは楽しいです」と由里香さん。作品は4月18日(土)〜26日(日)に同工房で展示される。

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