5、60年に一度くらいしか花を咲かせないと言われるリュウゼツラン科の一種とみられる花が、市内蓑毛の湯山暉子さん(85)宅で開花した。
リュウゼツランはメキシコを中心に広く栽培されており、非常に成長が遅く花を咲かせるまでに数十年を要するものが多いという。
湯山さん宅に植えられているものは、暉子さんが嫁いできて間もなくご主人が「どこからともなく持ってきて植えた」もので、60年前のこと。玄関前に植えられたが、今まで一度も花をつけることはなかった。
湯山さん宅は新東名ができることにより引っ越すことが決まっており、今年話がいよいよ具体的に。その際に息子さんが「どうせ花も咲かないし、切ってしまおうか」と話したのが4月頃。なぜか切らずに数カ月が経つと、茎の上部に芽のようなものがついた。彼岸に入り、先の一言を知ってか知らずか、はじめて立派に花を咲かせたのだった。その花は、身の丈以上ある高さに、白い花が鈴なりに咲き誇っていた。
結婚して10年も経たず34歳という若さで他界したご主人。暉子さんは「最後のご奉公と思って花を咲かせてくれたのかしら。それともわからないけれど、主人が咲かせてくれたのならばうれしいわ」と微笑んだ。
語りかけながら水をあげ
女手一つで育てた3人の子どもが手を離れ、自分の時間ができてからは花を植えるのが趣味。誕生日や敬老の日には、子どもたちが贈ってくれ、庭には数々の花が咲く。最近は引っ越しに備え新居に少しずつ植え替えており「綺麗に花を咲かせるのよ」と心の中で語りかけながら水をあげるのが楽しみだという。
悠久の時を経て開花した玄関前に咲くこの花の根元には、小さな株が顔を出していた。「枯れたら捨てていくつもりだったけれど、小さな株を新居に連れて行こうかしらね」とにっこり。新しい命が新居での生活をまた、見守り続ける。
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