全国有数の食用桜花の産地、秦野市千村では近年、花の摘み取り作業者の高齢化や人手不足が問題となっている。また、桜の樹木が10m以上に成長し摘み取りには高くなり過ぎていることも課題で、地元では「江戸時代から続く桜の文化が途絶えてしまう」と懸念する声も上がっている。
八重桜は50年以上花を咲かせることもあり、高さ10mを超えると危険も伴う。新たに幼木を植える場所の確保も課題だ。
今年は例年より開花時期が遅く、4月20日前後に同地区内のあちこちで摘み取りをする人の姿があった。千村地区自治会連合会の小野豊一さんは「咲き始めて3〜5日でもぎ取らなくてはいけないので、八重桜の畑を持っていても会社員だから摘み取りできない家もある」と話す。
老朽化した児童館と自治会館の建て直し資金を補うため、小野さんなど地元住民らは4月20日、摘み手のいなくなった畑で八重桜の摘み取りを行った。この日は、渋沢の洋菓子店パティスリークラベリーナの吉田伊織さん(34)など地元商店・飲食店の店主ら4人も「桜付けの技術を身に着け、自分で加工した桜を商品に使いたい」と足を運び、小野さんに教わりながら、脚立を使って摘み取りを体験。吉田さんは「地元の桜の文化を伝承し、後世へ伝えたい」と話す。
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摘み手不足問題を根本的に解決するには、高所の花を摘み取ることのできる技術を習得した後継者の育成が不可欠だ。
記者(27歳、女性)は現地で農家の方に教わりながら枝の上での摘み取りに挑戦したが、素人にはどの程度の太さの枝なら体重をかけても折れないのかという判断は難しく、農家の人が言うように「何年も経験を積まなくては一人で摘めるようにならない」と身を持って知ることができた。
地区内では、今回登ったよりももっと大きな木に8mのはしごをかけて登る年輩者の姿を見かけ、頭が下がった。
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