東京藝術大学音楽学部邦楽科に通う秦野市東田原出身の浦田友里さん(26)=東京都=には、もうひとつの名前がある。「清元延寿鏡(きよもと のぶじゅきょう)」――女流清元最年少の浄瑠璃演奏家だ。
清元節とは、江戸時代に発祥した浄瑠璃の一流派。三味線音楽として演奏されるほか、歌舞伎や日舞の伴奏に用いられている。浦田さんは「語り」の担当で、登場人物の位の高さや男女の心情を声色で歌い分ける。「義太夫節などと比べあっさりとしていますが、江戸っ子特有の粋があり、奥に秘めた熱さがあります」と清元節の魅力を語る。
浦田さんは4歳から箏を習い始め、東小・中学校、県立相模大野高校を卒業後、東京藝大へ進学した。当初は箏曲生田流専攻へ入学したが、3年生の時、授業で初めて生の清元節に出会い、強く心を揺さぶられた。演じていたのは現在の師匠、清元志寿子(しずこ)太夫さんだった。「師匠が演じると、ぱっと空気が変わり、一瞬でのめり込んでいました」
”清元を一から深く学びたい”と卒業と同時に同大の三味線音楽清元専攻に再入学。同専攻2年生のときには、師匠の「寿」と箏をしていた曾祖母「鏡(きょう)」さんから一字ずつもらい、「清元延寿鏡」の名をとった。
学生生活の傍ら、国立劇場などでの演奏会や、舞踊会、ワークショップなどに出演。現在は4年生で、2018年3月には2度目の卒業が控えている。
清元演奏家が減った今、浦田さんは「女流清元演奏家が活躍できる場、需要をもっと増やしたい」と熱意を語る。昨年12月には初心者にも分かりやすいよう紙芝居つきのミニコンサート「かがみ会」を自ら企画。SNSも活用して清元の魅力の発信に取り組んでいる。
「子どもたちに見せると楽しんでくれるし、邦楽の普及に共鳴してくれる人もいます。清元を一人でも多くの人に知ってもらいたいですね」と浦田さんは話している。
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