「大日堂に、地元の人が来ない」。秦野みのげ文化の会の広報啓発部会長、小野文男さんは漏らす。昨年10月に国の登録有形文化財となったが、保存や修繕に必要な資金は不足しており、同会では「まず多くの人に来てもらうことで魅力を知ってもらいたい」と啓発活動を続けている。
大日堂を管理している宝蓮寺(東島礼美住職)の記録によると、大日堂は奈良時代に「聖武天皇勅願所として建立」され、東大寺(奈良県)の大仏造営に尽力した行基(ぎょうき)らが743年(天平15年)に五智如来を造立したと伝えられており、かつては多くの人が訪れる山岳信仰の拠点だった。
国の登録有形文化財となったのは、境内の4つの建造物で、最も古いものは17世紀末に作られたとされる不動堂。地蔵堂も18世紀前半の建築で、2つの御堂は1975年頃に改修された。しかし境内の建造物には修繕が必要な個所が多くあり、中に安置した文化財を守るためにも必要な修理にかかる費用は2億円とされているが、資金源の目途は立っていない。
また、不動尊を中心に5体あったとされる「五代尊」は、不動尊以外が風化によって現在は手足などがバラバラな状態で保存されている。東島住職は「このままでは文化財が失われていってしまうのでは」と懸念する。
市外からの訪問者が8割
蓑毛大日堂の保存活動を行っている同会では「文化財を見てもらうことで魅力や現状を知ってもらおう」と昨年7月から、毎月第1日曜日の午前9時から午後3時まで文化財の一般公開を始めた。しかし、その来場者の8割は東京都や川崎・横浜、藤沢市などからで、市内の人は少ない。「有形文化財に登録されても、秦野市内にはまだここを知らない人も多いのでは」と小野さん。「京都や奈良に行かなくても、蓑毛で同時代の文化財を見て歴史を感じることができる。ぜひ多くの人に来てほしい」と熱く語る。
同会では、市内で活動する秦野歴史おこしの会(小泉孝理事長)と連携しながら、今後も訪問者増加を目指していくという。
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