堀山下で砂盛・辻の調査 消えゆく盆行事を後世に記録
秦野の郷土史研究グループ「一味ちがう郷づくりの会」(仲戸川賛治会長)が7月14日と15日、盆行事「砂盛」「辻」の市内堀山下地区における記録保存調査を行った。
同会は地域の文化を残し、伝えることを目的に、堀山下地区を中心に活動している。今回は、同会が今年5月に開催した郷土史学習会で、地域の伝統行事が変わり、なくなりつつあるという指摘があったことがきっかけに行われたもの。同地域での正式な調査活動は初めて。
砂盛、辻などと呼ばれるこの行事は、家継ぎの家で先祖を迎えるためのもの。7、8月の県内の特徴的な盆行事として知られる。
住宅の入り口に30〜40cm四方、高さ20〜30cmほどの大きさに砂を盛り、四方を竹や木ワクなどで囲い、階段を付け、盆花を立てて線香を焚く。
堀山下地区では水無川の湿り気ある砂「ボカスナ」を盛る砂盛が原型。より美しく、立派に先祖をお迎えする工夫から、現在の形になったと言われる。
14日は、カメラや計測用具を使った砂盛や辻の詳細調査、15日は範囲調査を行い、2日間で167軒を回った。その結果、少なくとも138軒で、現在も砂盛や辻が作られていると分かった。
中心になって今回の調査を行った大木伸男さんは「かつては子どもの仕事でしたが、現在作っているのは殆どが大人。加えてお盆用に売られる木ワクを用いり、簡略化する家庭が多くを占めます。まだ数は少ないですがそもそも辻を立てない家も見られ、伝統的な砂盛、辻は段々と少なくなるかもしれない。なくなる前にきちんとした調査ができて良かった」と話す。
同会は9月14日から19日にかけて、堀川公民館で今回の調査結果の展示発表を行う予定。
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