4月6日に大田区総合体育館で開かれたWBC世界ライトフライ級タイトルマッチで、秦野縁のプロボクサー・井上尚弥選手(21歳/大橋ボクシングジム所属)が王者のアドリアン・エルナンデス選手(メキシコ)を破り、世界王者に輝いた。プロ6戦目での世界王座奪取は国内最速記録。
井上選手は高校時代、父親の真吾さんが当時会長を務めていた本町の「INOUE BOXING&SPORTS GYM」に所属しており、秦野でトレーニングを積んでいた。この時には、高校生史上初のアマチュア7冠を成し遂げている。
そして世界王者の座を賭けた今大会。レフェリーが試合を止め、王座奪取が決まった瞬間、井上選手は喜びを爆発させ、リングに倒れ込んだ。トレーナーの真吾さん、同ジムの大橋秀行会長、松本好二チーフトレーナーらと抱き合う。真吾さんに担がれると、サポーターがいる観客席へガッツポーズ。普段冷静な井上選手が感情をむき出しに喜んだ。それだけ大きな一戦だった。
試合は序盤から、井上選手のペース。これまでに4回防衛しているエルナンデス選手を、スピードで翻弄し、フック、ボディと打ち分けて主導権を握る。4ラウンド終了時点の採点ではジャッジ全員が井上選手を支持した。しかし、3ラウンド終盤、減量の影響で左足の太もも裏が痙攣していた。スピードが落ちた所を狙い、チャンピオンが攻勢に出てくるも引かずに打ち合う。そして第6ラウンド終盤、渾身の右ストレートで相手を打ち抜き、ダウンを奪うと、TKO勝ちした。
試合後のインタビューでは「途中苦しい時間もありましたが、小さい頃からの夢を絶対叶えるという想いで戦いました」と語った。真吾さんや大橋会長らへの感謝の気持ちを話し、「もっと大きな夢に向かって頑張ります」と呼びかけた。
この日は、弟・拓真選手(18歳/同ジム所属)の試合も行われた。世界ランカーのファーラン・サックリン・ジュニア選手を相手に、優勢に試合を進め、プロ2戦目を勝利で飾った。2人を応援する「井上尚弥・拓真後援会」の工藤元会長は「勝利を信じていました。努力が実を結んで嬉しい。後援会のみんなも男泣きしていました」と喜んだ。
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