リビングに飾られたストールやのれん。はっとするほど美しく、鮮やかな藍色が目に飛び込んでくる―。
制作者は、秦野市曽屋にある自宅兼アトリエで、藍や柿渋等で草木染めを40年以上続けている三須啓子さん(85)。市内や近隣市町で5月31日(日)まで開催している「丹沢アートフェスティヴァル」に参加している作家のひとりだ。
東京で生まれ育った三須さん。子育てがひと段落した40代前半、デパートの展示会で偶然目にした草木染め作品の美しい色に魅せられ、その場で「教えて欲しい」と展示者の作家に声を掛けたという。それから、藍染めの歴史や伝統の染色技術等を学んできた。
秦野へ移り住んだのは約15年前。夫に先立たれ1人暮らしになったのを機に、自然豊かで水のきれいな秦野に住まいを構えた。
自然の中に存在する色の中でも好きなのが、「華やかでも煌びやかでもないけれど、優しくて深くて、とても美しい」という藍色。
材料になるアイは、「生葉でも染めたいから」と自宅の庭で育てている。3月に種をまき、夏頃に生葉を収穫して染めると淡い青色の作品が出来上がる。残りの葉は約10カ月じっくりと面倒を見ながら発酵させ、藍色を抽出していく。
染める素材は綿やウール、絹や和紙等。絞り染めやろうけつ染め等の技法を使って、タペストリーやストール、Tシャツ、バッグ等様々な作品を制作する。満足のいく色に仕上がるまで何度も染め直しをするという三須さん。こうして完成した作品は、同フェス期間中のみ購入することができ、例年多くの人が楽しみに訪れている。
三須さんは「今回はストール等が中心。良ければお立ち寄りください」と笑顔を見せた。
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三須さんの個展「遊びをせんとや〜藍と柿渋そして私の昭和〜」=開催中〜5月10日(日)(7日(木)休廊)まで、午前11時〜午後4時、秦野市曽屋6021の8、(問)【電話】0463・82・7868三須さん
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