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秦野版 公開:2015年9月12日 エリアトップへ

特別企画 戦後70年 記憶をつづる 〜寄せられた手記から〜

社会

公開:2015年9月12日

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出征兵士の見送り(1940年頃)
出征兵士の見送り(1940年頃)

2つの戦争

 昭和ひとけた生まれの私たち80歳以上の者は、2つの戦争を経験しています。1つ目は昭和12年勃発の日中戦争、2つ目は昭和16年に勃発した太平洋戦争です。日中戦争は私が小学校に入学した年に始まり、父の弟が出征しました。大きな幟に名前が書かれご近所の皆さんに送られて勇ましく出征して行かれました。とても立派でした。1年生でしたが、担任の先生がお見送りに行って来なさいと言われ、日の丸の旗を振って汽車が通過する線路の所で見送りました。私は元々、韓国の沙里院(サリオン)と言う町に住んで居ました。朝鮮半島の南から北に縦断する鉄道の通過する大きな町で、この鉄道で大勢の兵隊さんが満洲(今の中国)に毎日どの位、通過されたか分かりません。大人も子どもも日の丸の旗を振って見送りました。その中、どの位の方が帰国されたか、敗戦後シベリアに送られ帰らぬ人となられたか知るよしも有りません。2つ目は太平洋戦争で、私が5年生の時に始まり、毎回新聞もラジオも勝利の報道で大変でした。南の島々の名前が報道され「勝って来るぞと勇ましく」とか「敵は幾万有りとても」とか勝利の歌を町中に放送し、国民は勝利にマヒしていました。女学校に入学してからは勉強はそっちのけで、けが人の看護法を学び、兵隊さんの軍服の布地を織る工場に動員され、学校には殆ど通学しませんでした。お国の為と指導され、誰も不思議にも思わず、夢中で奉仕しました。ある日突然、仕事をやめて学校に戻るように言われ、久しぶりに学校に戻りました。先生のお話を聞いて、しばらく自宅待機する事になり、先生とも、友人とも、学校とも最後のお別れになるとも知らず別れました。その後、1週間程してソ連兵が私の町に侵入して来ました。それからは家屋に侵入する、略奪はする、婦女子の暴行など大変でした。昭和時代の様々なお話です。

■元町 川名富士子(84)

医学部学生の私

 医学部学生の頃、学徒出陣。送られる身命(みぎん)であったが送る身分になった。徴兵検査合格。甲府連隊に入隊する事になっていたが、医学部学生の為、医師の資格をとってから入隊せよであったが、終戦になった。

■今泉 松岡豊治(90)

恐ろしい体験

 今年は戦後70年と言われ、私の11才の恐ろしい体験を思い出した。母から3月10日東京大空襲は悲惨だと聞く。杉並区も空襲が昼夜なく激しく、防空壕で怯えながら過ごした。夜は真っ暗になり、すぐに外に出られる様に寝る時も靴を履いていた。4月半ばの夜、サイレンと共にパッと明るくなり、焼夷弾が雨の如く降りそそぐ。父は3才の弟を背に、母は生後2週間の妹をおしめで巻きおぶり、私はリュックサックを背に7才の弟の手を握り火の粉を踏みながら父の後を必死で追う。逃げまどう人々が右往左往する中で、母は何回もしゃがみ私に背中の赤ん坊の息を確かめさせた。家族6人無事に夜が明け、我が家を探しに戻った。そこには見覚えのある門柱だけ、無残な焼け野原と化していた。びん類であろうものは溶けていた。父母は茫然と立ちつくしていた。知人の厚意で秦野に着の身着のままでお世話になり、食糧探しは私で、リュックを背負って農家の手伝いをし夕方お芋を出してくれた。燃料は流木を拾いに川へ。「戦争のない日本に」。

■千村 小林良子(81)

〈写真提供/秦野市ほか〉

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