秦野市名古木在住の宅見孝子さん（84）がこのほど、著書「わが故郷 たばこ村」を刊行した（Ａ５判並製本 １８６頁 印刷・製本（株）タウンニュース社出版印刷部）。
宅見さんは国民学校を卒業後、16歳でたばこ試験場に就職。実験室で洗い物を手伝うなどして14年間働き、家計を支えていた。結婚後２人の息子に恵まれ、子育てがひと段落した頃、自身の子ども時代を思い出し、書き留めるのが好きになった。宅見さんは「童謡１つ取っても、一緒に歌った友達との大切な思い出がよみがえる」と話す。
この本では、第１章で、宅見さんが生まれ育った名古木の地名の由来や年中行事、里山の生き物の紹介。第２章では古文書から読み取った情報を交えながら、自身が体験したたばこ耕作の歴史を振り返り、第３章で自身の故郷を守りたいと続けてきた自然保護活動について触れている。
「秦野は盆地で災害が少なく、風光明媚。先の優秀な人たちに支えられ、たばこ村に育てられたという感謝の気持ちが強い。秦野が素敵なところだと、この本で伝えられたら」と宅見さんは話す。
たばこ葉を干す18歳の宅見さん（右端）
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