渋沢西中学校で2月24日、炊き出し訓練と地域清掃が行われた。生徒が発案し、授業内で有事の際を想定したプログラムも考案。3年生250人のほか、西地区自治会と職員が参加した。
当日、炊き出し班は釜を使い、廃材を使用して火起しから始め、物流が止まった事態を想定し、持ち寄りの具材で豚汁と、節水も見込めるビニール袋での炊飯に挑戦した。苦戦する様子も見られたが、中には「風呂の釜炊きをしたことがあったのでスムーズにできた」(原田かける君)という経験者も見られた。
炊き出しという実体験を通し、災害時に避難所などでできることを考えてもらい、地域での役割を自覚してもらうことが狙いだ。
清掃班はハザードマップを手にしながらゴミ袋いっぱいにゴミを拾った。それぞれの生徒が住む近隣エリアを巡回し、自治会から避難所の説明を受けた。「川の付近はゴミが多くて災害時に裸足だと危険」「狭い道は塀など倒れてきそうで怖い」などの声が上がっており収穫もあった模様だ。
地域清掃として地域を巡回する中で地域特性を知り、防災意識を高めてもらう。また自治会など地域住民と行動・食事を共にすることで交流を深める目的だ。
有事の際は僕たち、私たちが
今回の開催のきっかけは、9月に同校の生徒100人超も参加した市の総合防災訓練。当日はバケツリレーや、おにぎり3000個をにぎる体験をした。大人の参加者の手際の良さに圧倒された生徒は「新鮮で貴重な体験をした」と口々に話していた。
日頃学校では「西中の近くにはほかに学校などの施設がないため、何かあった時に力になれるのは君たち中学生だ」と教えられていた。そこで新郷さやかさんと飯田真帆さんが「地域に貢献できる防災活動を」と思い立ち、会議で発案した。毎年度末に行っている地域清掃に絡めて何かできないかと試行錯誤。内容も授業内で生徒が考えた。予算がない中でも、災害時を想定し「物資がない、少ない中で何ができるか」という状況下の、今回のプログラムが完成した。
同校の関野信好校長は「子どもは大人が思う以上に考えている。今回の自主的な発案はとても素晴らしい。守られるだけでなく、守る存在でもあってほしい」と話した。
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