市内では上地区で生産されているモモが最盛期を迎えている。実が小振りな極早生品種の「ひめこなつ」は今週末がピークで、今後は早生品種の「ちよひめ」などが出荷される。
後継者問題などから農地の荒廃が課題となっていた上地区。この荒廃地対策として「菖蒲地区農村景観保存会」の有志メンバー15人が2009年からモモの生産を始めた。メンバーの一人である府川農園の府川金夫さん(66)は、定年退職後に仲間らとモモの栽培を開始。両親がかつて葉タバコを栽培していた土地2反に「ひめこなつ」と「ちよひめ」の2種類を植え、2013年から出荷を始めた。現在は5種類に増やし、7月頃まで品種を変えて出荷しているという。
昨年は豊作だったが、今年は気候が不安定で収穫量は10分の1程度。しかし、甘みは十分だという。出荷しているモモのパッケージには『こもものじじが育てた小桃』と書いたシールでひと工夫。同じ頃に生まれた孫の名前が偶然「こもも」であったことからつけた名前だ。「孫が自分の作ったモモをおいしいと食べてくれる笑顔が元気の源です」と話した。同会で生産しているモモは、はだのじばさんずで購入できる。
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