「子どもの声、保護者の声、教師の声。新聞で学校に3つの声を響かせよう」。市内外でPTA広報や学校新聞の指導に当たってきた武勝美さん(80)=秦野市寺山=が6月14日、自身1000回目となる講演を茅ヶ崎市役所で行った。
武さんは1960年に雑誌記者から転身、中学校の英語教諭になり赴任後すぐ学校新聞の創刊を託された。新聞教育活動について記録してきた武さんの大学ノートの1ページ目には「S、35、8 (中略)生徒会顧問と新聞部顧問になり『玉中新聞』を創刊する。ガリ版で新聞づくりに取り組む」と丁寧に記されている。
その後、新聞づくりの指導に熱を注ぎ、赴任校の新聞を何度も全国コンクール受賞に導いた。学級担任をしていたころは3年間、学級だよりを日刊で発行し続けたこともあったという。「教師になってから十数年経った頃”学校には新聞が必要”という主張らしきものを言えるようになった」と武さんは振り返る。
新聞で声を届ける
初めて講師を頼まれたのは1972年、秦野市東婦人会の広報紙づくり研修会だった。「子ども、保護者、教師がそれぞれの立場で新聞・広報で声を響かせ合おう」という学校新聞への強い思いが評判を呼び、市外、そして全国各地から講演を依頼されるようになった。
定年退職後の講演・講座は813回。その多くは新聞づくりに関する講座だが、独自に調べた道祖神などに関する地域の歴史文化や、子育て・教育についても200回ほど行っている。
1000回目となった茅ヶ崎市役所での講演には同市PTA45人が参加。武さんは夏休み前に発行されたPTA広報の例を紹介しながら内容の提案や読まれるためのノウハウについて話し、「PTA活動に一生懸命参加する人は立派です。広報は自分を耕す”耕報”であると私は思います」と参加者にエールを送った。
講演後、武さんの周りには自分たちの広報を手に「アドバイス頂けませんか」と参加者が集まり、武さんの話に耳を傾けていた。
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