秦野出身の歌人前田夕暮の功績を称え、広く短歌作品を募集した第31回夕暮祭短歌大会の表彰式が6月16日市立図書館で行われた。今大会には、国内ほかオーストラリアから618首が寄せられた。最高賞の秦野市長賞には、平塚市在住の星野一英(76)さんの作品が選ばれた。
星野さんの作品は「丹沢に雪形兎二つ三つ春の声聞き山駈けのぼる」。選者による講評では「春の訪れを待ち望む気持ちをうまく表現している」と称えた。また「『山駈けのぼる』にあるように作者の心身の律動が快い。前田夕暮も見上げただろう早春の丹沢山塊をおのずと感じさせる歌柄の大きな一首」と評価した。
30代後半から約6年間秦野に住んでいたという星野さん。当時も今も丹沢を眺めるのが好きだという。今回の作品は、暖かくなり山肌の雪が兎のように見え、もうすぐ訪れる春を感じた兎が山を登る光景を詠んだ。
今回の受賞に「市長賞を頂き、とてもうれしい」と喜びを語った。70歳を過ぎてから始めたという短歌。「短歌は私にとって生きがいになっています。今後も精進したい」と語った。
秦野市からの入賞作品は次の通り。▽秦野短歌会会長賞/「足癒えて踏みしめる土のあたたかし声かけ合ひて夫と薯を植う」(今井和子さん)▽佳作/「米寿すぎ卒寿もすぎて其の先の白寿となるも終りたくなし」(直江英一さん)、「なゐがきて『峯坂』あたり童女消ゆ『九月一日』灯火ふたつ」(和田英夫さん)、「地球儀を廻せば戦火の国いくつはがゆきまでの人の愚かさ」(細谷幸子さん)。
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