暦の上では、一年で最も寒さが厳しくなる時期とされる『大寒』。この日に生まれた卵を食べると「一年を健康で過ごせる」という風習がある。毎年、農産物直売所「はだのじばさんず」(秦野市平沢477)でも人気商品として取り扱っており、今年も1月20日(日)に販売する。
「鶏は寒くなると飲む水の量が減り、そのぶん飼料を多くとるようになります。産卵数も減るので、そのぶん熟成され、滋養分たっぷりの卵になります」と話すのは、秦野市三廻部の山あいで養鶏を営む「みくるべたまご」の山本澄子さん(70)。夫である山本康衛(やすえ)さん(74)と共に17年前から放し飼い有精卵の出荷を行っている。
康衛さんは昔から鳥が好きだったこともあり、57歳で心機一転、脱サラして養鶏業の道へ。ケージの中で一括管理するのではなく「元気な鶏を育て、自分たちならではの卵を作ろう」と放し飼いの養鶏を選択した。扱っているのはオランダ原産の黒鶏「ネラ」で、衛生面には細心の注意を払っている。「清潔な環境で元気に遊ばせ、身体づくりをしています。うちの鶏は顔つきが違っていて、キリリとしているのよ」と笑顔で語る澄子さん。放し飼いのため、鶏舎の巣箱でとれる有精卵の数は毎日違う。飼料も康衛さんが工夫を重ねてきた独自配合のもので、水は地元の湧水を汲んでくる。野菜を食べさせることで栄養価も高くなるそうだ。澄子さんは「うちの卵で『元気になった』と言ってもらえるのが一番嬉しいわね」と胸を張る。
昔は秦野にも養鶏所が多くあったそうだが、今は市内では同社だけになった。澄子さんは「鶏が好きで、農家は面白いから続けられている。一度うちの卵を食べてもらえれば」と話した。
『大寒卵』は1月20日の午前9時からじばさんずで販売。「みくるべたまご」の『大寒卵』は10個入700円で販売。このほか、神奈川県産『大寒卵』(6個入200円)が同時に販売される。数量限定商品のため、なくなり次第終了。問い合わせは、じばさんず【電話】0463・81・7707へ。
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