「リーチ!」「ツモ!」「ポン!」「ロン!」
緑色の卓を囲む相手に聞こえるよう、大きな声を出すこともルールのひとつ。週に2回、秦野市内の公民館で活動する「麻の会」は、2013年6月にできたマージャン同好会だ。8人でスタートして6年が経った今、メンバーは57人まで増えた。この日もまた1人、メンバーが増えた。
ターゲットバードゴルフを楽しんでいた主婦仲間が「雨の日も一緒に楽しみたい」と、自宅の一室で見よう見まねでマージャンを始めた。会長の笠島幸江さん(74)=東田原=が中心となり、市内の公共施設に利用申請したが「マージャンは…」とやんわり断られた。
昭和の男たちがかつてたしなんだ「飲む、打つ…」のひとつにあったマージャンには、スポーツ界や芸能界での「マージャン賭博」事件などスキャンダルがつきものだったが、平成に入り健康ブームが到来すると少しずつ変化が現れた。
会話によるコミュニケーションや牌をつかむ指先の動き、先を読む思考などが“認知症予防”として注目され「健康マージャン」という言葉まで生まれた。
健康マージャン
麻の会が活動7年目に入った6月11日、南公民館にある定員45人の集会室でメンバー40人が賑やかに対局を楽しんでいた。
この日のメンバーは女性18人と男性22人。52歳から86歳までと幅広い。対局相手は毎回、午前と午後で変わるが、それがかえっていい、という。
金融系の独身寮でルールを覚え、接待マージャンで鍛えられたと話す73歳の男性は「家にいると会話がほとんどないが、ここへ来ると会話が弾む。前の晩は気持ちが高ぶり朝の目覚めもいい」と目を輝かせた。
77歳の女性は「夫が送り迎えをしてくれる」といい、86歳の男性は「これが生きがい」、52歳の女性は「火曜日はマージャンの日で日曜日は夫とデート」と様々。ほかにも「旦那とは別々の趣味がある。それが夫婦円満の秘訣」「家でテレビを観ていると受け身だがマージャンをしている時は脳が刺激されるのがわかる」など、その眼は一様に牌に向けられていた。
会費は1回300円。経費は会場の利用料と景品だが、景品には参加無料券もある。
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