４月〜６月期の概況
新型コロナによる緊急事態宣言に伴い、全業種総合の業況判断Ｄ．Ｉ．は▲（マイナス）55・５を示し、前回調査（１〜３月期）と比べ36・６ポイントの大幅悪化となった。景況感は調査開始以来、最も低い値を示している。
飲食業やサービス業を中心に売り上げが大幅に減少。製造業でも受注減がみられる。約半数の企業が売り上げにマイナスの影響が生じる一方で、約３割の企業が給付金や補助金等の支援策を活用して事業の再開に向けた動きもみられる。
７月〜９月期の見通し
来期予想は８・６ポイント悪化の▲64・１。売上額Ｄ．Ｉ．と収益Ｄ．Ｉ．は、改善予想となっている。
製造業
業況判断Ｄ．Ｉ．は前回調査から26・３ポイント悪化の▲53・９となった。自動車部品関連を中心に約４割強の企業が取引先の休業や操業停止の影響を受けて生産を縮小。また、部品の調達に支障が生じた企業もあり、６期連続悪化となった。一部企業では生産縮小により週休３日制の導入検討もみられ、先行きを不安視する企業も多く見受けられる。
来期はさらに16・２ポイント悪化し、▲70・１の予想となっている。
卸売業
業況判断Ｄ．Ｉ．は前回調査比37・２ポイント悪化の▲68・０。飲食店の営業時間短縮や小学校等の臨時休校により食品卸では売り上げが大幅に減少しているほか、建材卸では建設工事の延期やキャンセルに伴う受注の減少がみられた。
一方で、一部の食品卸では既存先の需要落ち込みに伴い、新たな市場開拓に向けて品揃えの拡充や新商品開発に努める動きがあった。
来期予想は４・０ポイント悪化の▲72・０。
小売・飲食業
小売・飲食業の業況判断Ｄ．Ｉ．は前回調査比21・８ポイント悪化の▲62・７となった。緊急事態宣言の発令に伴い営業自粛を余儀なくされ、約８割の企業が売り上げ減少に至っており、自粛ムードの長期化を懸念する様子もみられる。
イベント等の中止や延期が続く中、一時的な危機対応策として、補助金の活用によりネット販売やテイクアウト事業に取り組む動きも活発化している。
来期予想は６・２ポイント悪化の▲68・９。
サービス業
前回調査比58・３ポイントと大幅悪化し、業況判断Ｄ．Ｉ．は▲81・３。新型コロナに伴う外出自粛要請で旅館業や観光バス・タクシー事業で利用客が大幅に減少したことに加え、運送業でも荷動きの減少が見られ、景況感は６業種の中で最も低い値となっている。
タクシー事業者の中には地域飲食店と連携し宅配事業を開始するなど、地域連携による自助努力を模索する動きもある。来期予想は19・６ポイント改善し▲61・７。
建設業
プラス域で推移していた建設業も２年９カ月ぶりにマイナス域に転じ、業況判断Ｄ．Ｉ．は前回調査比51・０ポイント悪化の▲36・０となった。
約３割の企業が取引先の休業や営業活動自粛の影響を受け、一部では工事の休工や遅延により材料等の支払い先行に苦慮する様子もみられる。また、景気減速に伴う民間工事受注の減少や公共事業関連の予算削減を懸念する声もある。
来期はさらに14・０ポイント悪化し▲50・０の予想となっている
不動産業
不動産業も新型コロナによる営業活動自粛の影響を受け、業況判断Ｄ．Ｉ．は▲37・８と35・１ポイントの大幅悪化を示した。営業自粛の影響は約６割の企業が受けており、一部では現地販売会での集客に苦慮する様子もみられる。
また、約２割の企業が国内消費の不振を懸念しており、今後の需要動向を見据えた仕入れ商品の選別が課題となっているようだ。
来期の予想業況判断は24・３ポイント悪化の▲62・１としている。
【調査概要】
■調査時期／２０２０年６月上旬
■調査地域／秦野市、伊勢原市、平塚市、厚木市、開成町
■調査企業数／３４２社
■回答企業数／３２１社
※Ｄ．Ｉ．値とは、ディフュージョン・インデックス（Diffusion Index）の略で、「良い」「やや良い」と回答した企業の割合から、「悪い」「やや悪い」と回答した企業の割合を引いた値。値が小さいほど業況判断は悪いということを表す。
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