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秦野版 公開:2020年10月16日 エリアトップへ

ダウン症の伊藤美憂さん 描いた世界、詩集に収録

社会

公開:2020年10月16日

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描き始めると止まらなくなるほど熱中する
描き始めると止まらなくなるほど熱中する

 カラフルで細部にまでこだわった独特なタッチのキリンの表紙カバーが印象的―。秦野市平沢在住の伊藤美憂(みゆう)さん(21)が描いた絵が収録されている詩集『弱いはつよい』が、10月5日から発売されている。

 この詩集は伊藤さんの友人で神戸市の村上有香さん(20)が詩を手掛け、伊藤さんの絵が添えられている。2人はダウン症で、小学4年頃に共に通常級という共通点から知り合った。油絵を描く伊藤さんと、詩を書く村上さんはお互いの活動の情報交換をしたりと交流を続けてきた。

油絵は15歳から

 伊藤さんが油絵を始めたのは15歳の頃。中学の美術部に外部講師で来ていた久保寺こずえさんの絵画教室「Crazy Pumpkin」に通い始め、油絵の世界へ。2018年には「キラキラっとアートコンクール」で優秀賞を受賞した他、企業のカレンダーや広報紙の表紙に作品を提供するなど実績を積んできた。

 「有香ちゃんが『詩集を出すから美憂ちゃんの絵を使わせて欲しい』と言ってくれて」。村上さんも小学4年生から詩を書き始め、NHKハート展で6回入選する実力者。今詩集全66編のうち、伊藤さんのこれまでの作品から21点の絵を添えている。本に載った実感はまだないというが「嬉しい」と笑顔を浮かべる。タイトルは村上さんがキリンの目がハートになっている伊藤さんの絵から着想を得て、「弱い」の点の部分と「は」をハートにしている。

メルヘンな絵市内でも評判

 伊藤さんは普段、市内のにこにこパン工房と株式会社ウィズに勤務。これまでの実績から声がかかるなど、市内外で絵を展示している。市内ではにこにこパン工房や地域生活支援センター「ぱれっと・はだの」、児童デイサービス「かでる湘南」等に定期的に新作を展示し、訪れる人の目を楽しませている。かでる湘南の職員は「想像性と力強いエネルギーを感じる絵が好きです」と毎回楽しみにしていると話す。

 「声をかけられたり、褒められたり、写真を撮ってもらえることが嬉しい」と伊藤さん。絵の指導をしている久保寺さんは「絵の中に小人を描いたりとメルヘンな世界を表現する美憂ちゃん。絵を描き始めると止まらなくなってしまうくらい楽しんでいる」と話す。

 絵を描く以外にも「作詞作曲も好き」とにっこり。歌を聴きながら好きな歌詞を書き留め、その歌詞を組み合わせて作詞をしているという。「よく聴くのはジャニーズ。好きなのは嵐」とはにかむ。好きが高じて嵐のデビュー地・ハワイが題材の絵も描いている。青々とした空と海が鮮やかな絵の中には、嵐のメンバーの姿も。この絵は詩集の中で「ハワイの海」の詩に添えられている。

 『弱いはつよい』は、単行本120頁、1600円(税別)、風鳴舎出版。全国有名書店やアマゾン等で購入できる。

出版された本を手に笑顔の伊藤さん
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