竹田署長（右）から感謝状を受け取った府川さん（中央右）と小林さん（中央左）
秦野市在住の府川平さん（31）と小林啓祐さん（23）が人命保護を行ったとして10月16日、秦野警察署（竹田茂署長）から感謝状を贈呈された。
２人は10月４日、勤め先の車販売・整備等を行う株式会社レブフラット（伊勢原市善波）から昼休憩のため外に出たところ、何も持たずにふらふらと歩く高齢女性を発見。「家は秦野なのに、伊勢原方面に向かおうとするし、明らかに様子が変だったので認知症を疑った」と府川さんは話す。府川さんは前にも認知症の高齢者を保護した経験があり、それが生きたという。
高齢女性に名前を聞くと、数日前に秦野市の防犯メールで送られてきた行方不明者と同じ名前であることにも気付き、確信を強めた。「住所を聞いて検索しても、その住所が存在しなくて困った」と話す小林さん。自宅を探すよりも警察署に連れて行った方がいいだろうと判断し、府川さんと小林さんは協力して高齢女性を車に乗せ、秦野警察署まで同行した。
感謝状を２人に手渡した竹田署長は「気になっていても声をかけられないことは多く、今回、こうして声かけをしていただけたことは大変勇気のある行動。認知症の方が事故に遭う可能性もある中で、仕事中に見つけていただいて感謝しています」と２人の行動を称えた。また、超高齢社会の中で今後も今回のようなケースが増えることも示唆し、「若者の代表として、今後もぜひ目を配っていただけたら。また、詐欺に関わる若者の受け子バイトなどの防止にも協力してほしい」と呼び掛けた。
「１人だったら慌てていたので、府川さんがいてくれて良かった。普通にしたことで感謝状をもらい驚いている」と小林さん。府川さんは「お婆さんが無事でよかった」と笑顔で話した。
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