1月〜3月期の概況
全業種総合の業況判断D.I.は前回調査(2020年10月〜12月期)と比べ8・2ポイント改善し▲(マイナス)22・0を示した。緊急事態宣言の再発令を受け厳しい事業環境が続く中、製造業や建設業で前回宣言時と比較して受注の持ち直しが図られたほか、飲食小売業では巣ごもり需要やプレミアム商品券等の需要喚起策の効果により、景況感は3期連続の改善となった。
しかし政府による外出自粛や時短営業の要請により、約3割の企業が影響を受けるなど業種間でばらつきが見られる。
4月〜6月期の見通し
来期予想は2・8ポイント悪化の▲24・8。一方売上額及び収益D.I.共に改善の見込み。
製造業
自動車部品や5G関連の需要増加を背景とした受注の持ち直しによって、景況感は前回調査から24・6ポイント改善、2期連続の改善となった。しかし緊急事態宣言の再発令に伴って、約4割の企業が営業活動自粛の影響を受けており、景況感はマイナス域の▲10・2に留まっている。来期の予想業況判断については、11・6ポイント悪化し、▲21・8となっている。
卸売業
業況判断D.I.は前回調査から3・0ポイントと小幅改善し、▲41・4となった。取引先飲食店の時短営業や休業に伴う食品卸での売り上げ減少に加え、緊急事態宣言の再発令により建材卸や機械部品卸を中心に、約半数の企業が営業活動自粛の影響を受けたことから、業況判断D.I.は6業種の中で最も悪化の値となっている。一部の食品卸では新商品の開発に努める動きもある。来期予想は17・3ポイント改善の▲24・1。
小売・飲食業
小売・飲食業の業況判断D.I.は前回調査比13・5ポイント改善の▲29・1となった。
巣ごもり需要の取り込みや、プレミアム商品券などの需要喚起策の下支えにより、スーパーやコンビニ等の食品小売業を中心に景況感は改善に至った。一方飲食店では時短営業に伴い、一部は協力金等の支援策に頼らざるを得なく、経営の維持に苦慮する様子も見られる。また、消費税込みの総額表示の義務化による消費動向も注目される。来期の予想は9・7ポイント悪化の▲38・8。
サービス業
業況判断D.I.は前回調査からほぼ横ばいの▲38・5となった。緊急事態宣言の再発令に伴う需要喚起策の一時停止や外出自粛の影響により、旅館業や理美容業では客足の落ち込みが見られたほか、通所介護事業所では、利用を控える高齢者が増加したことから、景況感が横ばいとなった。また、一部の介護事業所では、コロナ禍で利用者の募集に苦慮する様子が見られている。
来期の予想は17・4ポイント改善の▲21・1。
建設業
業況判断D.I.は前回調査比4・8ポイント改善の▲5・1となった。一部では物流倉庫の建設に加え、住宅メーカーからの造成工事受注を確保する企業が見受けられるものの、コロナ禍における民間工事受注の減少に伴う公共工事の入札競争の激化に加え、経営上の問題として材料価格の上昇を挙げる企業が増加。慢性的な人手不足が課題で、一部には機械設備導入の動きも。
来期予想は8・7ポイント悪化の▲13・8。
不動産業
不動産業は前回調査比18・1ポイント悪化の▲26・5となった。緊急事態宣言の再発令の影響で、賃貸管理業では学生アパートの賃貸需要の動きが鈍いとする企業が見られる他、土地売買業では地主との積極的な交渉が難しく、在庫の確保に苦慮する様子が見られることから景況の悪化となった。また約半数の企業が商品物件の不足を経営上の問題点として挙げる中、情報力の強化とともに優良物件の確保を課題として挙げている。来期の予想は5・9ポイント悪化の▲32・4。
【調査概要】
■調査時期/2021年3月上旬
■調査地域/秦野市、伊勢原市、平塚市、厚木市、開成町
■調査企業数/340社
■回答企業数/324社
※D.I.値とは、ディフュージョン・インデックス(Diffusion Index)の略で、「良い」「やや良い」と回答した企業の割合から、「悪い」「やや悪い」と回答した企業の割合を引いた値。値が小さいほど業況判断は悪いということを表す。
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