子育てに関連する施設・事業は保育所や幼稚園が中心だと思いがちだが、横須賀市内では、これら以外にもさまざまな支援事業がある。
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横須賀市には、子育て支援を有償ボランティアでつなげるシステムがある。昨年12月に設立10周年を迎えた「横須賀市ファミリー・サポート・センター」だ。これは、子育ての「援助を受けたい人(よろしく会員)」「援助をしたい人(おまかせ会員)」の間で相互援助活動を行うというもの。内容は、保育所・幼稚園・学童クラブ等保育施設への送りや迎え(保護者帰宅までの預かり)、冠婚葬祭や通院といった急用・短時間の預かりなど。事務局(市委託のNPO法人)に依頼後、事前調整・打ち合わせを行い、実施される。市内で登録されている「よろしく会員」は1637人、「おまかせ会員」は540人。双方が可能な「どっちも会員」は149人(3月末現在)。
「必ずしも周囲の友人や身内に頼めるとは限らず、登録しておいてよかった」「短時間、育児から解放されてリフレッシュできている」というのが援助を受けた人の声。「困った時に子どもを預けられる人が誰もいない」という人は、市の子育てに関する調査の中で10%近くに上ったという。受け入れる「おまかせ会員」は子育てがひと段落した人も多く、「共助」の視点で、そうした人材と関われる場を設けることも、地域でできる子育て支援のひとつだ。
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また、保育所と同様に保護者と子どもを支援する「家庭保育福祉員制度」もある。保育ママと呼ばれるもので、「保育に欠け、かつ保育所に入所できない3歳未満の乳幼児」を保育者の居宅などで保育している。市が実施する家庭保育福祉員基礎研修の修了者で、市が家庭保育福祉員として認定した人が、一人につき1〜3人を預かる仕組み。ごく小規模の保育所といったところだ。4月現在、市内では11人が保育ママとして登録。9人が保育ママ宅で過ごしている。また、市立うわまち病院では、「乳幼児健康支援デイサービスセンター」で病児保育・病後児保育も実施するなど、調べてみると、個々のニーズに応じた事業が実施されている。
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市では働く親だけではなく、出産前後の母親のサポートも手厚く行う。産後の出前型子育て相談・訪問指導、子育てが困難になっている家庭にヘルパーや助産師を派遣する「育児支援家庭訪問事業」など、母親・親子が孤立しない環境づくりにも力を入れている。
「(ファミサポを含め)急な事態に対応できるよう、保護者が預けられる手段、相談できる場所をいくつか知っておくということも必要」と市担当者。もちろん、細やかなニーズに応えられる受け手(人材)の育成も急務となっている。
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