三浦市社会福祉協議会が運営する障害福祉サービス事業所「どんまい」は、従来の就労継続支援B型事業に加え、就労移行支援事業をスタートした。主に喫茶店営業と野菜の栽培・販売の訓練を通して、就労に必要な知識と能力を向上させ、知的・精神障がいなどを抱える人の企業への就職を支援する。
2006年に施行された障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)で定められている障がい者の就労支援事業には、意欲はあるが様々な事情で就労が難しい人に労働機会を与える「継続支援」と、職業体験を通して知識や能力を高めて一般企業への就職をサポートする「移行支援」の2通りある。
これまで「どんまい」では継続支援として日替わり宅配弁当事業を展開。併設された厨房で調理を行っているが、今年4月から就労支援環境の充実強化を図るため新たに移行支援事業をはじめた。
同事業の開始に併せて、市総合福祉センターの1階ロビーを開放し、売店と喫茶スペース「三遊間を抜けました」を開設。コーヒーや軽食の提供、加工食品などの販売を行うことで就労体験の機会を提供する。また、生産活動の一環として、市内農家から無償で貸与を受けた農地で無農薬野菜を栽培。収穫した作物は今後、同売店で販売する予定だという。
求職者の環境改善
今年4月現在、三浦市内の就労移行支援施設数は1件と、求職する障がい者を取り巻く環境は依然として厳しい。
今回の事業拡充によって改善が期待されるのは、特別支援学校卒業者が関係する通称「ダイレクトB問題」。通常、卒業者は就労移行支援事業所に通所し、適正を見た上で進路を決めなければならないが、同事業所数が少ないことから、卒業後の受け皿(経過措置)としてやむを得ず継続支援事業所へ通所するケースが起こっているという。本来、継続支援(B型)が受けられる対象は、就労経験があり年齢や身体的事情で一般企業での雇用が難しい人や、就労をめざしたが雇用に結びつかなかった人などと法律で定められており、「地域内で移行支援事業をスタートすることで、より法の理念に則った事業展開を実践することができるのではないか」と担当者は話している。
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