小網代の森がこのほど一般開放から3年を迎える。県によると、2014年7月から17年3月までに、のべ約21万3千人が来場。絶滅危惧種も生息するなど豊かな自然が残る森では、観察をしながら散策が楽しめるとあって、休日を中心に県内外から多くの観光客が訪れている。
小網代の森は、2010年に神奈川県が保全をめざして用地を買い取り、その後、散策路などの整備を実施。14年7月に一般開放が始まった。広さは約70ヘクタール、東京ドーム15個分に相当する。県の統計によると、多い日で1日あたり700人(16年度)近くが訪れているといい、梅雨晴れとなった今月3日も森に向かうグループ客の姿があった。
5月中旬から先月4日には、ホタル観察のため午後9時までの夜間開放も実施。地元住民や企業の協力も得て、好評のうちに終了したという。横須賀三浦地域県政総合センターみどり課の話では、ホタルの数は徐々に増えつつあるといい、生息環境の整備が奏功している。
「生物多様性の宝庫」と呼ばれる小網代の森。その保全は、県・三浦市・公益財団法人「かながわトラストみどり財団」・NPO法人「小網代野外活動調整会議」が協働で推進。湿地帯の回復や治水作業、草木の間伐・伐採などを行い、多様な生物が生息できる環境の保全整備を推進。そのほか、環境教育の場として活用され、生き物の観察会や散策イベントなどが人気を博している。
本年度内にトイレ本設
多くの来場者を受け入れる整備は森の内外で進められている。散策路に動植物の種類や森の構造を教える解説板と防災用の標柱を、三崎口駅から国道134号線沿いには道案内表示をそれぞれ設置。とくに要望が多く寄せられていたトイレは本年度中に仮設から本設へ移行し、バリアフリーに配慮した多目的トイレを含めた7基が新設される。
また、県立三崎高跡地に整備が進む「(仮称)市民交流拠点」内に案内所も設けられる予定だ。
利便性求める声も
一般開放から3年。利用者からは、駐車場・駐輪場や自動販売機・売店の設置といった利便性向上を求める声も少なくない。
同地は建築行為などが制限されている「近郊緑地特別保全地区」であることから、「すべての対応は難しいかもしれないが、少しでも利用しやすくなるよう改善していけたら」と県担当者は話している。
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