「2016英雄伝説」でキックボクシング57kg以下級世界王者を奪還した 伊澤 波人さん 緑が浜在住 24歳
夢に向けて一直線
○…中国で開催されたキックボクシング大会「2016英雄伝説」のタイトルマッチで勝利し、2年ぶりに57kg以下級世界王者の座を奪還した。昨年の防衛戦でベルトを奪われてから1年をかけて対策を講じ、「必勝」の思いで臨んだ試合。「帰国後は家族や仲間、教えている空手道場の子どもたちもベルトに群がって喜んでくれた。このために戦ったんだな、と改めて思った」と優しく微笑んだ。
○…「運動全般が苦手だった」と振り返る幼少期。父と一緒に空手教室に通い始めた幼稚園の年長から格闘技人生が回りだした。松浪小1年の時にK―1の大会を観戦し「自分もこのリングに立ちたい。世界チャンピオンになりたい」と心に火が灯った。中学2年から強豪で知られる空手ジムに入門。3年の夏に全国ジュニア大会で準優勝したことを契機に頭角を現し、続く全日本ジュニアで優勝した。高校1年からキックボクシングを始め、大人も出場する新空手全日本で優勝したことをきっかけに声がかかり、2年生の時にプロデビューを果たした。現在はKrushやK―1に出場しながら、空手道場で後進の指導も行っている。
○…「空手が一番強いということを証明したい」との思いから、空手の技を取り入れた独自の戦闘スタイルが特徴。「体をしなやかに、自在に動かせるように」とウエイトトレーニングは一切しないという。試合前のリラックス方法は意外にもディズニーの曲を聴くこと。「なかでもアラジンのテーマをよく聴きます」と照れ笑いを浮かべた。
○…実家で両親と妹の4人暮らし。トレーニングや空手道場での指導があるため家にいるのはほぼ寝る時だけだが「茅ヶ崎は世界一住み続けたい町。すべてが大好き」と熱い郷土愛を覗かせる。「日本国内でもベルトを獲り、K―1のチャンピオンになり、ゆくゆくは茅ヶ崎で空手道場を開きたい」。真っ直ぐな眼差しは、すでに次の夢に向かっている。
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