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日本国憲法の制定過程から学ぶ 衆議院特別委員会小委員会の終了 〈寄稿〉文/小川光夫 No.90

公開:2011年10月21日

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 1946(昭和21)年、8月8日の第9回芦田小委員会は、日本国憲法第3条の「天皇の國務」を「天皇の國事」、第4条の「國務のみを行ひ」を「國事に關する行爲のみを行ひ」、「その他の國政」を「国政に關する權能を有しない」というように修正を行っただけで、約10分で会議を終えた。次の8月10日の第10回芦田小委員会では芦田委員長から「付託決議」の原案が提出され、8月13日の第11回、8月16日の12回会議でもそれについて討議がなされた。この「付託決議」の原案は3つの構成でできているが、あまり一般的には知られていないのでここで触れておくことにした。

一 憲法改正案は憲法付属の諸法典と相俟って、始めてその運用の完全を期待し得るものである。然るに皇室典範、参議院法、内閣法その他多数の各種法令は、未だ輪郭さへ明らかでないために、憲法の審議に当たっても徹底を期し得なかったことは、深く遺憾とするところである。政府は速やかにこれら諸法典を起案し、国民の公論に問う準備をなすべきである。 

二 参議院は衆議院と均しく国民を代表する選挙された議員を以て組織するとの原則は之を認めるとするも、之がために衆議院と重複する如き機関となり終ることは、その存在の意義を没却するものである。政府は須くこの点に留意し、参議院の構成については、努めて社会各部門の知識経験ある者及び職能代表者がその議員となるよう考慮すべきである。

三 憲法改正案は、基本的人権を尊重して、民主的国家機構を確立し、文化国家として国民の道義的水準を高揚し、進んで地球表面より一切の戦争を駆逐せんとする高遠な理想を表明したものである。然し新しき世界の進展に適応する如く民衆の思想、感情を涵養し、前記の理想を達成するためには、国をあげて絶大の努力をなさねばならぬ。我等は政府が情熱と精力とを傾倒して、祖国再建と独立完成のために邁進せんことを希望するものである。

 一については、憲法改正案が、急いで出来たことから各種法令が全く明らかになっていないことを悔やみ、速やかに国民の意見を問うべきであると指摘している。

 二については、現在のねじれ国会のようなことにならないように、参議院の構成は、知識経験者や職能代表者からなる参議院議員であることを要望している。

 三については、民主国家を確立することは勿論であるが、みんなで敗戦から立ち上がって祖国を再建し、独立を果たそうという強い信念を伺かがいしえる。
 

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