8月15日の終戦の日を前に、戦争の惨禍を語り継ぎ、平和の尊さを考える集会や展示などが大磯町と二宮町で開かれた。大磯では、2人の語り部が戦争体験を回顧。戦争を二度と繰り返すまいという決意を参加者に訴えた。
大磯町郷土資料館で5日に開かれた「戦争を語り継ぐ大磯の会」では、語り部の真壁喜次郎さん(89)=大磯町西小磯=と佐藤文昭さん(77)=小田原市=が、満蒙開拓団として旧満州国に入植した体験を伝えた。
真壁さんは、13歳で青少年義勇軍として渡満。現地で同郷大磯の日本兵と出会った思い出や、終戦後、労働先の炭鉱で遭遇した満州人による日本人への報復リンチ、17歳で引揚船に乗り帰郷したことなどを振り返った。
佐藤さんは、昭和17年に一家7人で満州に移った。ソ連軍の侵攻や暴徒化した現地住民からの逃亡、集団自決により姉と弟、ソ連兵の銃撃で父を失った悲しみを涙ながらに話し、「昔は領土拡大という目的があったが、今はなぜ戦争が起こるのでしょうか」と自問した。
二宮町のラディアンでは3日、町内に残る洞窟陣地に関する子ども向け講座が開かれた。
太平洋戦争末期、米軍の本土上陸に備えて吾妻山や丘陵に掘られた陣地と壕について、町民団体「戦時下の二宮を記録する会」の会員が説明。二宮で終戦を迎えた元兵士の会員や学童疎開の体験者らが戦争の記憶を語った。二宮小学校5年の男子児童は「洞窟陣地のことを学校の授業で聞いたけれど、93カ所もあるのは初めて知った」と話した。
5日には平和と友情のつどいが開催され、村田邦子町長をはじめ町民ら約250人が参加して戦争犠牲者へ黙とうを捧げた。二宮駅南口に建つガラスのうさぎ像の精神を後世に伝えようと始まり、今年で27回目。
関連行事として、1日から5日まではギャラリーで展示会が行われた。昭和20年8月5日に二宮駅周辺を襲った米軍機の機銃掃射で被弾した民家の雨戸や柱、楽譜といった品々、原爆のパネル写真などが並び、来場者が熱心に見入った。
遺族会が上演18日に紙芝居
中井町の井ノ口公民館で15日(火)まで原爆ポスター展を開催中。15日に町役場庁舎横の慰霊碑前で戦没者追悼式を行う。正午にサイレンを鳴らし、黙とうする。
二宮町遺族会戦争の悲惨さを語る会は、18日(金)にラディアンミーティングルーム1で紙芝居の上演会を開く。同会会員の戦中・戦後の体験を伝える。対象は小学生以上。午後1時30分から2時30分まで。入場無料。
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