多摩市と多摩市議会は6月25日、都内で初となる「気候非常事態宣言」を表明した。
近年、世界で猛暑や干ばつ等による被害が発生し、多摩市でも線状降水帯による大雨、昨年の台風19号など身近な所でも異常気象が観測されている。そうした中で、市と市議会では昨今の気候が危機的な状況にあることを全市民と共有し、地球温暖化対策に積極的に取り組むことを目的として、「気候非常事態」を宣言した。
宣言文の趣旨は大まかに3つ。【1】「『気候危機』が迫っている事実を市民全員と共有し、2050年までに二酸化炭素排出実質ゼロをめざす」【2】「資源の有効活用を図り、使い捨てプレスチックの削減を推進する」【3】「生物多様性の大切さを共有し、その基盤となる水とみどりの保全を積極的に推進する」。
こうした宣言は、世界各地の自治体が行っており、日本では昨年9月に初めて長崎県壱岐市が、近隣では今年2月に鎌倉市が行っている。議会が決議を行い、行政が宣言を行うことが多い中で、多摩市では市民の代表である市議会と市が一体となって宣言を行ったこと、気候変動の緩和につながる「生物多様性の重要性」について盛り込まれたことが珍しいという。
今後、気候危機対策を市民全員で共有し取り組んでもらうために、市では7月下旬に啓発冊子の全戸配布を実施。宣言の説明やクールチョイス等の啓発、多摩市プラスチック削減方針の策定、水とみどりの研究、マイクロプラスチック対策のための川ごみの啓発を進めていく予定だ。阿部裕行多摩市長は「これから実現していかないといけない義務。議会、市民の皆さんと一緒に取り組んでいきたい」と語り、藤原正範多摩市議会議長は「歩みは遅いかもしれないが一歩一歩進めていきたい」と話した。
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