神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
三浦版 公開:2014年7月4日 エリアトップへ

三浦の散歩道 〈第63回〉 みうら観光ボランティアガイド協会

公開:2014年7月4日

  • LINE
  • hatena
宮川の風車が重なって見える風景
宮川の風車が重なって見える風景

 毘沙門港から大乗(おおのり)への道は台地と谷(やつ)の間にあるためか、曲がりが多くなっています。木々に囲まれた道をぬけると畑が広がっている台地へと達します。その畑の中から「宮川公園の風力発電」のタワーが眺められます。ふだんは2基見られるのですが、ここからは、なんと重なって見えるのです。宮川公園に近い場所ですが、2基が1基に見えるのです。 道をさらに行きますと、曲がり角(かど)の所に次のような標識が立っていました。「首都圏剣崎岩堂山 近郊緑地保全区域 平成十二年三月設置 神奈川県」とあります。道路からの眺めでは、緑一色の畑が一面に広がっています。まさに「緑地保全」の姿です。

 さらに道を進みますと、左側に「墓地」が見えてきます。墓石の年号に目をやりますと、古い墓は江戸期の天明5年(1785)や寛政10年(1798)の年号が見られました。この「大乗(おおのり)」地区では、「木村姓」が多く、他に「長谷川姓」もあります。

 道は右へ曲がって、やがて、現在では使われていませんが、かつての「大乗児童会館」が見えて来ます。その手前に真新しい石塔が目に入ります。「立光山 海應●寺」と刻された立派な石塔です。平成22年に建てられたものです。その左手の古い石碑には「南無延命地蔵菩薩 第三十七番霊場」と「南無聖観世音菩薩第五番」の文字が刻まれています。

 観音様は三十三態(たい)に応現(おうげん)(衆生を救うために時機に応じた姿となって現れること)すると言われています。この三浦でも札所が三十三ヵ寺設けられています。その5番目の札所がこの海応寺なのです。その御詠歌は「打つ浪も心のありて打つからは仏の教え仏堂が崎」とあります。この地、「毘沙門大乗」の「大乗」を昔は「青苔(ノリ)」と書いていたとの説があります。その「青苔」の海岸に、一体の観音像が波に揺られて、うちあげられました。近くの人々は、恐れ多いこととして、お堂を建てて安置したとのことです。『三浦古尋録』には「堂ヶ嶋正観音行基ノ作」とあり、『新編相模風土記稿』では、「観音堂 千手観音を置、堂ヶ嶋辺より出現せし像なり」と記しています。

 浜田勘太著の『南下浦の歴史探訪記』によりますと、第十五世碩窓老師の執筆になる寺の沿革によると、開山は伊豆の国清寺の開山と同一で、応安2年(1369)に亡くなっているとして、当時は海岸にあったと言う。何れの頃か焼失し、元禄中(1690〜02)に現今の場所に移したと言い、次のように記しています。「青苔浜ヨリ岡地引上ゲシハ屋根梁木ニ札記名アリ」とあります。

つづく

三浦版のローカルニュース最新6

シンボルの由来

記者の目キラリ

シンボルの由来

〜城ヶ島エリアの巻〜

4月26日

「かなライド」出発

「かなライド」出発

8カ月間の実証実験開始

4月26日

正しい日本語、身につけて

正しい日本語、身につけて

ボラ団体 外国籍の人に学習支援

4月26日

「食の神」に感謝

三崎海南神社

「食の神」に感謝

華麗な包丁さばき披露

4月26日

城ヶ島西部地区温泉旅館が着工

城ヶ島西部地区温泉旅館が着工

来秋の完成目指す

4月26日

神奈川の食の魅力PR

神奈川の食の魅力PR

10月に展示会 出展者募集

4月26日

あっとほーむデスク

  • 4月26日0:00更新

  • 4月12日0:00更新

  • 3月29日0:00更新

三浦版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

三浦版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月26日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook