「目指せ世界ブランド城ケ島・三崎」 黒岩知事と地元住民が意見交換
海上イケス釣堀・オートキャンプ場計画進む
横浜、鎌倉、箱根に続く国際観光地を創出するため、県の新たな観光の核づくり構想地域に認定された、城ケ島・三崎。城ケ島・三崎の魅力を再発見し、国内外から多くの観光客を呼び込む策を黒岩祐治神奈川県知事と考える「対話の広場」が4日、三浦市民ホールで開かれた。認定を受け事業計画がスタート、地元の取り組みやこれからの新たな動きが語られた。
三浦が掲げた事業計画は、「ホテルになった村構想と医療、グリーンツーリズムによる新たな観光の核づくり」（三浦市・三浦商工会議所・（社）三浦市観光協会・（株）三浦海業公社・京浜急行電鉄（株）・（株）プラネット社が共同提案）。事業計画では、城ケ島の自然を活かした体験型イベントの開催や宿泊棟（民宿）の整備やホテル誘致、温浴設備等を含めた心身を癒す環境の整備、海上イケス釣堀開設、民間企業参入によるオートキャンプ場開設等がある。
黒岩知事は「県がここを第4の観光の核にしましょうではなく、地元の人たちが我こそはという盛り上がった所を第4の観光地にして、支援していこうと考えている。城ケ島・三崎の本気度を確認したい」と話した。
活動報告では、同事業のひとつアウトドア構想の総合プロデュース「ＮＰＯ法人地球元気村」と城ケ島観光協会が発表した。地球元気村代表の風間深志氏はビデオメッセージで登場。「城ケ島・三崎にはオンリーワンがある。皆さんの地域の自然に対する情熱、地域の誇りがあれば見つかる。そしてもう少し自然を深く見つめて。自然には命があることに気が付いて」と、城ケ島にしかない魅力があることを訴えた。その後、地球元気村の役割「アウトドア構想」について【1】国際的な評価のある城ケ島の自然環境や景観等を活用したアウトドアコンテンツの企画・実施【2】自然環境の維持【3】新たなビジネスの創出【4】インフォメーション機能の強化【5】協力企業の開拓の5つの展開イメージを発表。その効果として、アウトドアコンテンツの増加で城ケ島の付加価値向上や新規ビジネスの創出による地域経済の活性化、情報発信による城ケ島の認知度向上を挙げた。
城ケ島観光協会会長の青木良勝氏は、城ケ島を訪れた人たちに気持ち良く過ごしてもらうために、島内の美化活動や植樹の実施を説明。水仙まつりなど季節で行うイベントも紹介した。また、漁師は見向きもしない「ウツボ」や「アマガニ」などを使った新名物料理開発の取り組みをアピール。食べた人の評判も良く観光客誘致に繋がっていることを強調した。今後は「アマガニのフリーズドライの味噌汁やせんべいなどの展開も考えている」とさらに広げていく考えを示した。また、ミシュラングリーンガイドで星2つを獲得したことも観光客増加にも繋がっていると説明。県の交付金で動き出す海上イケス釣堀＇ＪＳフィッシュ計画を報告するなど、城ケ島の新たな展開に期待感を持たせる発表となった。
その後行われた知事と来場者の質疑応答では「静かな環境だからこそ、訪れてみたいと思う人もいる。多く人が来ることに疑問を感じる。バランスをどう考えているのか」という女性の意見に黒岩知事は「そのような考えも分かる。しかし、少子化の今、人が来なくなれば消滅してしまう危険がある。賑わいは必要。自然との調和は大切。議論を重ね考えていくことが大事」とした。また、「ここは最大の港で伊豆諸島に対して一番近い。発想を少し変え、相模湾から伊豆諸島までを視野に入れた考えでいくと、国際的な観光の核というだけのスケールを持てるのではないか。相模湾全体の海洋公園という発想にして、関係自治体と連携しながらやっていければいいのでは」という男性の提案に黒岩知事は「共感する」と答えた。
最後に、アウトドア用品メーカーのコールマンジャパン（株）のオートキャンプ場開設計画発表がされ黒岩知事は「これは民間が目を向け始めたということ。このような流れを活かし、城ケ島の活性化に結びつけてほしい」と力強く語った。吉田英男市長は「地元と一体となって進む。住民も意識が変化し取り組んでいる。これから変わっていく姿に期待してほしい」とひときわ大きな声で来場者に呼びかけた。
黒岩祐治神奈川県知事
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城ケ島観光協会会長の青木良勝さん。島内で開催するイベントや新名物料理の開発等、観光客誘致活動に奮闘する
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ビデオメッセージで登場した地球元気村の風間深志さん。
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