来週7月15日(土)・16日(日)に行われる海南神社の例大祭。4〜5年に1度渡御する三崎魚市場の”魚河岸神輿”が今年、街を練り歩く――。
1955年に作られたという神輿は、細やかで華美な装飾が随所に施された一級品。07年まで16代続いた名神輿師・浅子周慶の作とされ、近年修復を担当する神輿大工がその作りの素晴らしさに、「相当な費用が掛かっている貴重な品。値段がつけられない」と目を見張るほど。
特徴は大きな屋根。重いためバランスが取りづらく扱いにくいが、勇壮な渡御はひと際目を引く。とくに高く掲げ、荒々しく揺らすと迫力満点で楽しみにしている近隣住民も多い。「関東でも指折りの大きさと聞いている。神様の御霊が入ると、より一層重みを感じる」と総頭長を務める石渡大介さんは話す。
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魚河岸神輿を担ぐのは、仲買人や加工会社・冷蔵倉庫会社など約200人の魚市場関係者で構成する「小若会(こわかかい)」と呼ばれるグループ。この日ばかりは年齢や業種の垣根をこえて一致団結。商売繁盛や豊漁祈願を込めて息を合わせるのが醍醐味だという。
6月頃から週に2回ほど集まって木遣りの練習をしており、本番はもう目前。市場で慣らした声にも自然と熱が入る。「準備は万端」今年、小若会の会長を務める芝本孝徳さんは笑顔を見せた。
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現在、三崎漁港では新たな冷凍マグロ用の低温卸売場の建設に向け、着々と工事が進んでいる。「思い出に残るよう今の市場に感謝を込めて担げたら」と2人は顔を見合わせ静かに意気込んだ。
実は本体の裏には神輿購入に携わった60年以上前の市場関係者の名前が刻まれているという。先代から連綿と受け継がれてきた歴史ものせて担ぐ神輿は重いが、魚河岸で働く者にとっての何よりの誇りだ。
衣装や道具で知る
チャッキラコ・三崎昭和館(三崎2の11の3)では、7月18日(火)まで海南神社例大祭をテーマにした特別展を行っている=写真。
実際に同祭で使われた祭礼委員長や化粧小若の衣装・大うちわ・万灯、1945年頃の半てんや浴衣が並んでおり、なかには豪華な刺繍が施された衣裳もあり、当時の人の粋や時代の変遷を垣間見ることができる。そのほか、館内では市民から寄贈された神輿の模型も展示。午前10時から午後4時(15日(土)のみ8時まで)、火曜・水曜休館。入場無料。詳細は同館【電話】046・882・3156
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