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三浦版 公開:2017年10月6日 エリアトップへ

タウンレポート 介護の現場に高校生 「お年寄りとの交流やりがい」

社会

公開:2017年10月6日

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入居者へ食事の配膳をする進藤さん
入居者へ食事の配膳をする進藤さん

 団塊世代が75歳以上(後期高齢者)となる2025年。厚生労働省の推計では、介護職員が全国で約38万人不足すると言われている。

 離職率の減少、新規就労者確保に向け、国や自治体の具体的な対策が急がれるなか、地域内で新たな担い手を育成する試みが三浦市内で行われている。

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 今年6月に開所した初声町下宮田の介護老人福祉施設「ケアホーム三浦」(運営・社会福祉法人せいざん福祉会)では、高校生のアルバイトを積極的に採用している。

 「お待たせしました、夕飯の時間ですよ」――。

 午後6時、食事を待つ特別養護老人ホーム入居者のもとへ、高校生たちが慣れた手つきでキビキビと配膳を始めた。介護福祉士やヘルパーなど専門資格を持たないため、おもに配膳・下膳、お茶出しや簡単な洗い物、傾聴などを担当。職員らをサポートする介護補助員(介護助手)として勤務している。

 食事時は特に人の手が欲しい時間帯。介助や服薬管理など介護士が専門作業に専念できるよう、環境を整えるのが一番の仕事だ。近年では、無資格未経験でも介護業界で働ける新たな職種として導入を進める施設が増えている。

 今夏から働き始めた進藤綾音さん(三浦臨海高3年)と下里有良さん(大楠高1年)は、介護現場で働く家族の影響で興味を持っていたところ、募集を知ったという。

 「楽しそう。こういう仕事をしてみたい」と叩いた介護業界の扉。アルバイトでも入居者の生活を預かる責任など「大変なことはあるけれど、お年寄りと交流できることがとても楽しい」と声を揃える。2時間と短い勤務だが、入居者も若者たちとの会話を心待ちにしているようで、「繁忙な時間に人手が増えることはもとより、雰囲気に明るさが出る。孫のように親しみやすい関係が空気を和やかにしてくれるのでは」と施設管理者は嬉しい相乗効果を話した。

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 アルバイトがきっかけで、来年4月から同施設の正職員として採用が決まっている進藤さん。勤務サイクルの把握や人間関係の構築などがすでに出来ていることから、「スムーズに現場へ出やすい」と自信をのぞかせる。

 また、看護師を志しているという塙雪乃さん(三浦臨海高3年)は、「介護の知識も必要になると思う。実際に働いてみることは、とてもいい勉強になる」。実践的なインターンシップ(職業体験)の役割も果たしているようだ。

 こうした高校生アルバイトを雇うメリットについて、施設側は「介護の仕事の需要は高まる一方。若いうちから興味を持ってもらう機会を長い目で作れたら」とし、「仮に他の施設に就職したとしても、業界全体を支える将来の担い手づくりに変わりはない」と展望を示した。

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