新しい洋式便器で、小学校のトイレ環境を改善―。
医薬品メーカーの「小林製薬」(本社/大阪府)が地域貢献活動の一環で取り組む「小学校に洋式トイレプレゼント」で、2018年度の実施校に市立三崎小学校が選ばれ、先月31日に同社から寄贈された。
快適さでイメージアップ
「学校で初めて和式トイレを見る子や、『暗い・くさい・汚い』とトイレの利用自体に抵抗感を覚えて我慢する子が多い」と話すのは、同社東京広報グループの西片朋子さん。子どもたちの健康で快適な教育環境の整備をめざし、2010年から全国の小学校を対象に洋式トイレの寄贈を始め、その数は100基を超えている。
本年度は応募のあった14都道府県28校のなかから有識者ら選考委員による審査で10校を選定。三崎小学校では夏休み期間中に改修工事が行われ、4年生の男女トイレに1基ずつ設置された。
また、新しい便器のほかにも、臭気対策として乾式の床面シートや子どもたちに利用マナーを啓発する足形のシールなどが貼られ、明るく清潔感のあるトイレに生まれ変わった。
寄贈セレモニー後には、同社社員がオリジナルキャラクターの「ベンキィー博士」に扮して、特別授業を実施。クイズやダンスを交えて、排便の大切さと和式トイレの使い方を指導し、「正しく大事に使って」などと呼びかけた。
早急な整備課題に
三浦市内小中学校のトイレの洋式化はおよそ4割。全国トップクラスの普及率を誇る、県平均の約6割を大幅に下回っている。
災害時、地域の避難所として機能する学校。高齢者や障がい者の利便性向上のためにも洋式化が求められている。市教育委員会は、今後の学校施設整備計画で設置を進める考えを示し、早期の環境改善に努めるとしているが、校舎の耐震化や長寿命化といった優先的に着工すべき事項が多く、財源不足が障壁となっている。
三崎小学校によると、改修前は校内54のトイレのうち洋式は10。和式も一部の個室で老朽化や水圧の低下が著しいため、使用禁止にするなど措置を取っていた。
三浦版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|