小学1年から高校3年まで22人の”子ども剣士”が通う三崎警察署少年剣道クラブ。毎週水曜日、同署内武道場で修練を積んでいたが、新型コロナウイルス感染拡大防止対策のため、3月中旬から一堂に会する練習の中止を余儀なくされている。
剣道は対人稽古が基本。大きな掛け声を発し、その際に飛沫が生じるほか、相手との間合いが近いためソーシャルディスタンス(社会的距離)を確保しにくい、武道場の換気が十分にできないなど、密閉・密集・密接の”3密”回避が難しい。4月には愛知県内で、剣道の稽古を介した新型コロナウイルスの集団感染が発生。全日本剣道連盟も警戒を強め、今月10日まで対人稽古自粛を求めていた。
同クラブでは当初、動画による自主稽古を推奨していたが、「指導には限界があった」と指導者の1人、寺元公則さんは振り返る。武道場での練習が中止される直前に入部した子どもたちもおり、「少しでも練習環境を整えて不安を拭うことができたら」と会長が役員らに打診。パソコンやスマートフォンを使った”オンライン道場”の開設を決めたという。
練習は1回約30分。無料通話アプリ「LINE(ライン)」のビデオ通話画面には胴着に身を包み、竹刀を振る生徒たちが素振りや足さばきなどの基礎練習に励む姿が映っていた。外出自粛と約3カ月続いた臨時休校で友だちに会えず、満足に運動もできなかった子どもたち。「様子が気になっていたが、画面越しにいきいきとした表情が見られて良かった」と寺元さんは安堵した。
練習に通う池田悠真さんは、「先生や皆と顔を合わせられてやる気になる。三浦の中学校には剣道部がないので、三崎警察署で剣道を続けたい」と意欲を見せ、鳥羽星光さんは、「今だからできるオンラインで先生に素振りを見てもらったり友達と会えるのでさみしくない」と話した。
同クラブでは、6月末まで集合練習は中止する方針で、「1日も早く思いきり練習させてあげたい」と事態収束に期待を寄せた。
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