海洋汚染などの原因となるプラスチックごみの削減を目的に、7月からスタートしたレジ袋有料化。エコバッグの需要が高まる昨今、注目を集めるバッグがある。その名も「コンビニエンスバッグ」。形は誰もがなじみ深いレジ袋そのままだが、素材は雨に強く、耐摩耗性に優れた豚革を使用している。
手掛けるのは、古着や手づくりの革製品を販売する「UNKNOWN」の友永淳さん(38)=写真=だ。若い頃からファッションに興味を持ち、祖母のミシンを使って市販の服を大胆にカスタマイズすることが好きだった。仕上がりの評判もよく、高校3年のある日、近所のコンビニでもらったレジ袋を手に「これを革で作って」と友人からリクエストを受けた。切り開き、一平面に伸ばしてパターンを取るところから始め、「コンビニエンスバッグ」の第一号が完成。そのデザインは、20年経った現在も変わっていない。
その後、23歳から福岡の靴工場に勤務。知識や加工技術を身につけると、革に魅了されていった。
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1枚数円で手に入り、使い捨てされるレジ袋をモチーフに、上質な本革で作るエコバッグ――。対極にある両者を掛け合わせることに面白さを見い出し、牛革を加工した自然に返るプランターや、ファストフード店のテイクアウト用紙袋を模したクラッチバッグなども製作してきた友永さん。「常に新しいことをやって、『これを作ったの?』と驚かせたい」。10代の頃から変わらないのはデザインだけでなく、「自分のなかの軸もそのまま」と話し、「次は希少な布でマスクを作ってみたい」と意欲を見せた。
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8年前に都内から移住し、「UNKOWN」のオープンは2017年。店舗では古着を扱い、革製バッグなどはインターネットを中心に受注販売し、1つずつ手づくりする。レジ袋有料化が話題にのぼり始めた1〜2カ月前から「コンビニエンスバッグ」の注文は、従来の1・5倍に増加。関心の高さと反響の大きさに驚きながらも、大量生産・大量消費・大量廃棄時代からの転換期を迎えた今だからこそ「物に愛着を持ってもらい、大事に使うことの大切さを伝えたい」と話した。
■南下浦町上宮田3326の3/(営)火曜〜日曜(不定休)/正午〜午後7時/商品購入は【URL】https://minne.com/@avonlea-shop
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