善行雑学大学の代表理事を務める 片岡 信弘さん 立石在住 80歳
持続可能な学び舎に
○…人は学びを希求する生き物だ。人生100年時代の昨今、地域に根差した学び舎として生涯学習のニーズに応え続けてきた。「大学」の名を冠した毎月の講座は実に300回を数え、会発足から25周年。「手弁当で講師を引き受けてくださる方々や会の理事。皆さんのご協力があってこそ」と感謝を口にする。
○…入会したのは5年ほど前。会の”顔”だった前代表が2年前に病で退き、後を引き継いだ。四半世紀にわたる会の礎を築いた創設者に「会を先導した最大の功労者」と敬意を払う。後任として取り組んだのは、役員の交代に合わせた組織体制の刷新。過去に開催した講座の概要や運営に必要なノウハウなど、それまで散在していた情報をクラウドサービスを活用して一元化し、全役員が共有できるようにした。生涯学習の場は地域の財産であり、後世に残していけるように―。そんな思いがにじむ。
○…三菱電機に長年勤め、退職後は東海大学教授として教鞭をとった。専門は情報科学と情報工学で、根っからの技術者肌。データ観測は日常生活にも浸透し、スマートウォッチでの健康管理は欠かさない。「若い頃はぜんそく持ちでね」。医師の参考になればと自らの呼気データを集めて受診すると「『そんな患者診たことがない』と呆れられた」と笑う。
○…善行雑学大学では講師として登壇することも。前回テーマは「安定的な皇位継承のために」。元々歴史好きで、ひと度語ると言葉に熱がこもる。知識を得、学びを宿すことは生涯学習の真髄だ。地域の需要に応え、先人が築き上げてきた学び舎を持続可能にしていく仕組みが欠かせない。「きちんと引き継ぎ手を見つけるところまでが役割かな」。そう言って未来を見据えた。
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