東日本大震災の被災地から県内に転入した中高生を支援しようと、このほどサポート団体「SDC♡―願いを叶える会―」が発足した。立ち上げたのは茅ヶ崎市在住で、自らも震災の被害を受けた折原正秀さん(福島県双葉町出身、23歳)だ。
在学していた東海大学の卒業を控え、地元での就職を予定していた時期に起こった大震災。実家に戻ることも出来ないまま、折原さんは県立藤沢総合高校の教員補助者として新たな生活をスタートさせた。
「知り合いが亡くなったり、自分が何をしたら良いのか分からなかった」という折原さん。塞ぎこんでいた彼を変えたのが4月、5月と続けて被災地から同校に転入してきた生徒2人との交流だった。「周りから”同郷のあなたにしか分からないことがあるんじゃない?”とアドバイスを貰って、今度は自分が支援をする番だと思いました」(折原さん)。当初は2人との交流だけだったが、学校の協力なども得て湘南地域にいる被災地生徒に呼びかけを行い、会を立ち上げた。現在はスタッフと共に運営を行い、毎月定期的に数人の生徒と共に集まって進路相談や学習支援も含め、転入生同士の繋がりや仲間作りの支援を行っている。ノート交換などを通じて、当初は無口だったり学校を休みがちだった生徒と会話が出来るようになったりと、折原さん自身もその効果を実感しているという。
自らの経験を重ねて
SDC♡の活動で特徴的なのは、メンバーの生徒がやりたいと思うことを実現していく『企画支援』。”サポートを受けるばかりでなく、誰かの為に行動しよう”というテーマは折原さんが震災のショックから今に至る過程と重なる。生徒たちは今、他の地域で暮らす被災した高校生に湘南を知ってもらうツアーを企画中。6月には茅ヶ崎、藤沢、鎌倉3市の職員の協力でそれぞれの街の特色などを学んだ。今後も今住むまちを知って秋頃に企画を実現させたいとしている。
折原さんは「生徒が自発的に行動することで自分の存在価値を見出して欲しい。この困難を乗り越えて力強く歩き出せるように長く応援していきたいです」と話している。
SDC♡への問合せは【携帯電話】080(4162)1731、【メール】mshd20.a@gmail.com(折原さん)へ。
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