タウンニュース茅ヶ崎版では、年頭の企画として、服部信明茅ヶ崎市長にインタビューを行い、2014年のまちづくりに関する重点施策や茅ヶ崎が見据える方向性、新年の抱負などについて聞いた。
(聞き手/本紙・茅ヶ崎編集室 中島正裕)
――あけましておめでとうございます。まずは昨年の茅ヶ崎を振り返って頂けますか?
「昨年は、茅ヶ崎市がさらに発展していくための一歩を踏み出した年であったと思います。さがみ縦貫道路の一部区間開通、保健所政令市への移行準備の開始、愛知県岡崎市とのゆかりのまち提携30周年等、これから茅ヶ崎を大きく発展させる出来事が数多くありました。
また、災害時相互応援に関する協定締結、防災ラジオの開発、移動式ホース格納箱設置等、市民の皆様とともに災害から茅ヶ崎を守るため、地域防災力の強化に積極的に取り組みました。そして、茅ヶ崎の魅力を全国に発信し続けているサザンオールスターズの桑田佳祐氏の栄誉をたたえ、本市8人目となる市民栄誉賞をお贈りしました。茅ヶ崎でライブを行い全国の方に茅ヶ崎の魅力を音楽とともに知っていただくよい機会となりました」
――新市庁舎の建設も昨年末からいよいよ進んできました。
「『市民の生命と暮らしを守る安全・安心の拠点となる「新しい市役所」』の実現を目指す市役所新庁舎建設事業については、昨年12月から建設工事に着手しており、今後は、2015年度中の供用開始に向けて工事を推進してまいります。
耐震性や設備の老朽化などに課題を抱える市役所本庁舎の建て替えについては、約7年間の歳月をかけて、多くの市民の皆様、市議会や有識者の皆様と時間をかけて協議してまいりました。
市役所は、平常時には市民の皆様の大切な情報をお預かりし、サービスを提供する市民の暮らしを支える拠点である一方、災害時には被災者の早急な支援のために初動体制を確保し、本市における復旧・復興の災害対策拠点となります。新庁舎においては、市民説明会や障害者団体へのヒアリング、関係団体との意見交換、市民ワークショップなどでいただいた貴重なご意見を参考にし、誰にでも使いやすいユニバーサルデザインなど機能面の充実を図るとともに、市民の皆様の交流の場として、市民活動の成果の発表、作品の展示やミニコンサートなど多目的に使用できる『市民ふれあいプラザ』を設置することとしました。
今後は、工事期間中においても、運用面などのさらなる検討を進め、市民の皆様によりきめ細やかなサービスを提供できる新庁舎にしてまいります」
――これからの茅ヶ崎が見据える将来像について聞かせて頂けますか?
「まずは『さがみ縦貫道』開通に向けた施策ですが、さがみ縦貫道路は圏央道の一部区間であり、本市から東京都と神奈川県の都県境までの道路です。昨年の4月には茅ヶ崎JCTから寒川北ICまでの区間も開通し、2014年度中には全線開通の予定となっております。
本市といたしましても、さがみ縦貫道路が開通することで、周辺道路の混雑緩和や生活道路の安全確保、災害時における緊急輸送道路の役割等が期待されるとともに、湘南エリアの玄関口にもなることから、本市が他県や他市へのアクセス通過点となるのではなく、より長時間滞在していただくために、本市の魅力である海や里山などの恵まれた自然環境等や地域資源を活用して、さまざまな施策を推進することが重要であります」
持続可能な街づくりを推進
「そのために市民の皆様や市内事業者の皆様をはじめ、関係機関、関係団体の皆様方と連携を図りながら、地域の風土・文化等を回遊して本市の四季を感じて いただき、地域の特産品・物産品の購入や料理等の飲食ができるなど、まちの魅力を十分に感じていただけるような取り組みを推進して、地域の活性化を促進し てまいります。
このことに関連して、本市の商店街にぎわい創出事業助成制度を利用して市内の商店会や同業種組合、商業者グループの方々 により、2013年度は新規事業も含め12事業(昨年11月末現在)が実施され、まちのにぎわい創出や商業の活性化につながる取り組みが行われておりま す。加えて、農畜水産物の振興を図るためにも、観光や産業振興も含めた魅力的なエリアの創出を目指し、国道134号沿線における土地の有効利用について、 必要な施設整備を含め検討を進めてまいります。
また、寒川南ICに近い萩園の上ノ前地区においては、さがみ縦貫道路の整備が進むことに伴う立地ポテンシャルを最大限にいかすため、産業系市街地整備事業を推進しています。
この機会を茅ヶ崎の発展のチャンスと捉え、今後もあらゆる場面において効果的な施策を展開していこうと考えております。
次に高齢化社会についてお話したいと思います。高齢者が住み慣れた地域で豊かに暮らせるまちづくりを実現させるためには、介護予防やケアシステムに加えて 高齢者の働き方や社会参加、生活環境のあり方などについて総合的な視点で検討していく必要があります。そこで、昨年より学識経験者や地元の経済界、医療関 係者の方々にご協力いただき、「豊かな高齢社会に向けたまちづくり有識者会議」にて議論しております。今後の流れとしては、2014年8月を目途に方向性 をとりまとめ、その後、事業化に向けた調整を進めたいと考えております。
また、介護や福祉に関する身近な地域の相談窓口として、地域包 括支援センターと地域福祉総合相談室が昨年10月に新たに2カ所立ち上がりました。更に、2014年度中には12の自治会連合会区域すべてに設置される予 定となっており、各地区のボランティアセンターと連携をとりながら、これまで以上にきめ細やかな支援体制ができるよう努めてまいります。
そして、一体的かつ総合的な健康づくりを推進するため、保健所政令市への移行を2017年4月を目標に目指してまいります。市が保健所を運営することにより、身近な地域で、きめ細やかで迅速なサービスが提供できるものと考えております。
高齢化社会と対になります、子ども向けの施策についてお話します。2012年8月に成立した「子ども子育て関連3法」により、新たな子育て支援に関する新制度ができました。
この新制度である「子ども・子育て支援新制度」は、急速な少子化の進行、家庭や地域を取り巻く環境の変化に対応して、子どもや保護者に必要な支援を行い、 一人ひとりの子どもが健やかに成長できる社会を実現することを目的としています。こうした環境整備を社会全体の責任で進めていくとともに、地域のニーズに 合わせた教育・保育や、子育て支援の量・質を充実させるため茅ヶ崎市の「子ども・子育て支援事業計画」を策定いたします。
子育て支援に対するニーズを把握するために、無作為で抽出した市内の子育て中の7,500世帯に対してアンケート調査を実施し、現在とりまとめを行っています。
さらに、多角的にご意見をいただくために、昨年12月には「市民討議会」を開催し、お集まりいただいた皆様から、貴重なご意見をいただくことができまし た。今後についても「意見交換会」の開催を予定し、皆様のニーズに的確に応えることができる計画策定を進めてまいります。
最後に防災対策についての市の取り組みもあります。
昨年6月に、震災後に策定した茅ヶ崎市防災対策強化実行計画が2年間の計画期間を迎え、一部は取り組みを継続中ですが、計画に位置付けられた504項目全て対応することができました。
防災体制の強化としては、災害時に優先的に取り組む業務を整理した茅ヶ崎市業務継続計画を策定するとともに、本市の防災対策の根幹となる茅ヶ崎市地域防災計画の抜本的な見直しを図りました。
具体的な取り組みとして、大規模災害発生時の地域における初期消火力を向上する為に移動式ホース格納箱を導入し、防災訓練等を通じて取り扱いの周知に努めてまいりました。引き続き延焼火災の危険性や自主的な初期消火活動の啓発に取り組んでいきます。
また、津波対策としては、昨年3月にJR東海道線以南の地域を対象に7,300名以上の方の参加をいただき、津波対策避難訓練を実施いたしました。現在、この訓練を踏まえ、津波一時退避場所に必要な物資の備蓄を進めています。
災害時に迅速かつ的確に災害情報を伝えるため、防災行政用無線の放送内容を自宅にいながら確認できる「新型防災ラジオ」を開発しました。
災害時には、市民の皆様一人ひとりが、自らの身を自ら守り、共に助け合うことが重要となってきます。そのため、「自助・共助」に根付いた地域の取り組みの 更なる促進を図る「自主防災組織活動の手引」を作成し、「災害に強いまち・ちがさき」を目指し、自治会単位に組織された自主防災組織の具体的な防災・減災 に向けた準備体制づくりを支援してまいります」
――最後になりますが、市長からのメッセージをお願いします。
「2014年は、茅ヶ崎が掲げた目標に向けて進んでいく年だと考えております。
今後、超高齢社会の進行や、来たる人口減少社会を見据え、最良な市民サービスを継続的に提供し、持続的に発展できるまちづくりを進めていくために、行政の 事業をさらに効率的・効果的に推進していきます。そのため、茅ヶ崎市総合計画「第2次実施計画」では、新たに策定いたしました「茅ヶ崎市経営改善方針」に 沿って一体的に取り組みます。自治会などを含めた地域のコミュニティ組織や、市民活動団体、事業者、さらには多くの市民の皆様のお力をお借りしながら「新 しい公共の形成」に向け、具体的な取り組みを行ってまいります。
最後になりますが、本年も市民の皆様にとりまして明るく輝かしい一年となりますよう祈念いたしまして、新春のメッセージとさせていただきます」
|
<PR>
茅ヶ崎版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|