SHIOJIIの野菜畑 遊休農地を利活用 障がい者就労など視野に
高齢化が進み、遊休農地が目立ち始めた茅ヶ崎市内北部の芹沢地区で、こうした農地を有効活用しようと市民有志が集まり体験農園「SHIOJIIの野菜畑」を開園。新たな農業の試みが始まった。
農園を開園したのは「福祉・介護農園普及推進会」(山田悦子会長)。同会は過疎化が進む地区の農地を蘇らせ、介護や福祉に役立てようと2013年7月に組織。農林水産省の交付金推進対策「『農』のある暮らしづくり交付金」に選定され8月には活動を始めた。農園に選ばれたのは「シオジイ」こと塩川十善(みつよし)さん(84)の約500坪の畑。一般市民や障がい者施設の利用者らに畑を貸していたが、同会からの土地提供の話に「農地の荒廃が止められるなら」と快諾。体験農園開設に向けた整備を始めた。
新たな産業創出に茅ヶ崎モデルへ向け一歩
体験農園は、参加者が費用を負担し農園主の指導の下、種まきや除草、施肥などの農作業を一緒に体験し、収穫物を得ることができる。植え付ける生産物は農園主が長年の経験などから決めるため、参加者は手助けを受けながら農業を学ぶことができる。農地所有者から土地を借り受け、各々が好きな農作物を作る区画貸しの市民農園とは異なり、失敗が少なく農作物の収穫が出来るのが特徴のひとつだ。
しかし同農園では、作物の種や肥料などにかかる費用を交付金でまかなうため参加者は無料で農業体験ができるかわりに、収穫物は農園主と分ける。
同会は農園開設に伴い畑の整備や施肥、休憩所の設置などの準備を年明けから順次着手。年末には参加者募集を始め、年明けから説明会を開いてきた。雪の影響など中止を余儀なくされた説明会もあったが、同会によると、3回の開催でのべ30人ほどが参加。2月末現在で28人の正式参加が決まっているという。
障がい者就労や介護予防に
同農園の開設には、遊休農地の利用のほかに、障がい者の就労や高齢者の介護予防などの目的を含んでいる。同会の生悦住型造(いけずみけいぞう)事務局長は「農園を成功させあらたな産業を創出すれば、障がい者の就労にも役立つ。高齢者は土を触り、参加者同士で交流も生まれ作物を育てることで生きがいも感じられるのでは」と話す。さらに将来的には介護食品の開発や販売など、地域の商店や栄養士、医師などの専門家と組み地域一丸となった産業の創出も視野に入れている。
今後は3月16日にジャガイモの種の植え付けを始め、4月には里芋、さつまいも、5月にはトマトやキュウリ、なすなどの栽培を予定している。問合せは同会事務局生悦住さん【電話】0467・52・4515へ。
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